

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
経営再建中の中で、日産自動車が2025年3月期に6708億円という巨額赤字を計上しながらも、退任した前社長や副社長に対して総額6億4600万円の報酬を支払ったことが明らかになりました。
この開示は、27日に公表された定時株主総会の招集通知によるもので、経営の透明性や企業ガバナンスの観点からも注目されています。
赤字と報酬の乖離──株主の信頼は維持できるか
日産は2025年3月期、過去3番目に大きな純損失を計上しつつ、大規模なリストラに踏み切っています。その一方で、退任した内田誠前社長を含む4人の執行役に合計6億4600万円の報酬を支給。
企業としては契約や報酬規定に基づいた支払いとはいえ、株主や従業員にとっては「結果に見合った対価か」という疑問が生まれるのは当然の流れです。
役員報酬の構造と説明責任
同社の役員報酬は、固定給と業績連動報酬の組み合わせで構成されています。特に成果連動型の比率が高い場合、業績悪化の中での高額支給は説明責任が問われます。
FPの視点から見ても、企業が信頼を維持し続けるには、報酬と実績の整合性、透明なガバナンスの整備が不可欠です。
リストラの影響と社会的責任
日産は国内外で2万人規模の人員削減と、7カ所の完成車工場閉鎖を進めています。経営再建のための合理化とはいえ、雇用喪失による地域経済や個人家計への影響は無視できません。
このような状況での役員報酬が及ぼす心理的影響も大きく、企業価値の観点からも戦略的な説明と対応が求められます。
FPとしての見解:報酬制度と企業信頼のバランス
報酬制度は経営層の動機付けであると同時に、企業理念やステークホルダーへの姿勢を反映する指標でもあります。
企業が長期的に信頼を維持し、持続可能な経営を行うには、財務健全性と共に、倫理的な報酬設計とガバナンス体制の強化が不可欠です。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
経営陣の報酬と企業業績は常に一致するとは限りませんが、社会的な理解を得るためには、情報開示と説明責任が不可欠です。
特に経営再建期においては、株主、従業員、地域社会への配慮を前提とした透明性ある報酬体系の構築が信頼回復の鍵となります。