障害年金不支給の急増を受け、日本年金機構がひそかに再判定──千件超対象

2024年度に入り、障害年金の不支給件数が急増していることが社会的な関心を集める中、日本年金機構が内部検証の一環として、過去に不支給と判断した千数百件の申請に対して再判定を実施していたことが明らかになりました。この再判定は機構内で非公開で行われており、公的制度の透明性と説明責任のあり方が大きく問われています。通常、障害年金の審査において確定した不支給判定は再評価の対象とはならず、今回のような対応は極めて異例です。

日本年金機構は公式には「再判定の事実はない」と否定する立場を取っていますが、共同通信が入手した内部資料により、複数の部署が対象件数を抽出し、再審査を行っていたことが確認されました。内部の一部職員からは「機構の公式説明は虚偽であり、現場レベルでは再評価が実施されている」との証言も出ており、情報公開のあり方が強く問われる事態となっています。

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問題の経緯と内部での対応

この問題の発端は、2024年3月に障害年金の申請支援を行う社会保険労務士らと共同で実施された調査報道にあります。報道では、申請件数に対する不支給の割合が明らかに急増している実態が指摘され、制度運用に対する疑問が広がりました。

その直後、4月上旬には年金機構の障害年金部門において、センター長が非公式に再審査の方針を示し、各部署に対し、2024年度の不支給案件の中から一定数をランダムに抽出し、再評価を行うよう指示が出されたとされています。実際に、再判定にあたった職員の間では、過去の判定と現在の審査基準の整合性を再検証する動きがあったとの報告もあります。

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公的説明と現場対応の齟齬

共同通信の4月中旬の取材に対し、センター長は「再判定を正式に指示したことはない」と回答しましたが、「不支給件数の増加は認識しており、一定の検証と分析の必要性はある」と言及。公式には再評価を否定しながらも、実質的な再調査を容認している姿勢がにじみ出ています。

このように、外部に対する説明と内部実務の間で大きな齟齬が生じており、制度の透明性、公平性、申請者への説明責任という観点から深刻な課題を浮き彫りにしています。社会的弱者である障害者が対象である制度であるからこそ、制度運用の誤りがもたらす影響は大きく、信頼の回復には相応の対応が求められます。

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FPの視点:障害年金制度の不確実性と民間保障の必要性

障害年金制度は、労働不能による収入喪失リスクに備えるための重要な社会保障制度の一つですが、今回の事例はその制度自体の「不確実性」を浮き彫りにしました。審査の厳格化や行政判断のブレがある限り、障害年金が確実に支給されるという保障はありません。

したがって、民間の就業不能保険や所得補償保険の加入によるリスクの二重対策が重要です。特に自営業者、フリーランス、契約社員といった非正規労働者は、障害年金制度における保障の薄さを補完する必要があります。就業不能保険では、うつ病など精神疾患による長期療養もカバー対象となる商品も増えており、リスクマネジメントとして検討の価値があります。

また、障害認定における等級ごとに想定される収入減や医療費支出に応じて、必要な保障額をシミュレーションし、保障設計を行うことも重要です。特に、家計を支える主たる生計者が就業不能に陥った場合には、世帯全体の収入が大きく揺らぐことになります。FPとしては、こうした経済的影響を可視化し、早期の備えを具体化するアドバイスが強く求められます。

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監修者コメント

障害年金の制度運用における信頼性が揺らいでいる今、個人としてどのような備えが可能かを改めて見直す必要があります。特に、申請から認定までのプロセスがブラックボックス化している現状では、「制度に頼りすぎない」姿勢が重要です。

公的保障は本来、生活の最低限を守るセーフティネットであるべきですが、今回のように運用側の不透明性が問題となった以上、自助努力による保障強化が欠かせません。民間保険の活用や、生活費の3〜6か月分を目安とした緊急予備資金の確保、ライフプランに応じた保険ポートフォリオの再構築など、制度リスクを見越した包括的対策が求められます。

FPとして、今後は制度運用の動向を注視しつつ、個人レベルでできる備えについて積極的な情報提供とアドバイスを行っていく必要があります。

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