

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般
終身保険はいらない?損をしないための判断ポイントと考え方
「終身保険は本当に必要?」
「掛け捨ての定期保険でも十分なのでは?」
生命保険を検討するときによく話題に上がるのが、終身保険は必要なのか?不要なのか?という問題です。一生涯保障が続く安心感がある反面、保険料は割高になりがち。資産形成や老後資金の準備を考えると、必ずしも正解とは限りません。
この記事では、終身保険が「いらない」と言われる理由と、損をしないための判断ポイントをわかりやすく解説します。
終身保険が「いらない」と考えられる理由
1. 保険料が高く、家計を圧迫しやすい
終身保障のため、同じ保障額なら定期保険より保険料が高くなります。長期にわたり高い保険料を支払うことで、家計の負担が大きくなるリスクがあります。
2. 若いうちは死亡リスクが低い
20代〜40代の若い世代は死亡リスクが低いため、高額な死亡保障を持つ必要がないケースが多いです。必要な時期に必要な保障を持つ設計が合理的です。
3. 必要な保障額を積立で準備できるケースもある
死亡保障の代わりに、貯蓄や資産運用で家族の生活資金を準備できれば、保険による保障が不要になる場合もあります。自助努力で備える選択も有効です。
4. 相続対策以外では過剰保障になりやすい
終身保険は相続対策やお葬式代の準備として活用されることが多いですが、現役世代が高額の終身保障を持つ必要は少ない場合もあります。
それでも終身保険が必要な人の特徴と選び方のポイント
終身保険を検討すべき3つのケース
1. 相続対策や葬儀費用の準備をしたい人
終身保険は死亡時に必ず保険金が支払われるため、相続税対策や葬儀代の準備として有効です。非課税枠(500万円×法定相続人)も活用できます。
2. 保険料の払込期間を短くして老後の負担をなくしたい人
「65歳まで払込」など、払込期間を限定することで老後の保険料負担を減らす設計ができます。計画的に準備したい方には向いています。
3. 貯蓄が苦手で強制的に積立をしたい人
解約返戻金がある終身保険は、積立の側面もあります。計画的にお金を貯めるのが苦手な方にとって、貯蓄代わりとして使う方法もあります。
終身保険は「すべての人に必ず必要なもの」ではない
必要な保障額と保障期間を正しく見極め、家計状況や目的に合った保険を選ぶことが大切です。
終身保険のしくみと受け取れる給付金
終身保険は、死亡保障と資産形成の両方を目的とした保険です。契約内容によっては、保障の開始時期や払込期間がライフプランに大きく影響します。
ここでは、終身保険の基本的なしくみと給付金の種類を確認しましょう。
保障内容と払込期間の関係
終身保険では、契約時から死亡保障が開始され、保険料の払込が完了した後も保障は一生涯続きます。
払込期間は契約時に選べ、短期払や終身払が一般的です。
受け取れる主な給付金
終身保険で受け取れる主な給付金は、次の2種類です。
給付金の種類 | 給付を受け取れる条件 |
---|---|
死亡保険金 | 被保険者が亡くなった場合 |
高度障害保険金 | 所定の高度障害状態に該当した場合 |
これらの給付金は、遺族の生活保障や医療・介護費用に充てることが可能です。
よくある質問 Q&A
Q1. 終身保険は必要ないと言われるのはなぜ?
A 若いうちは死亡リスクが低く、必要以上の保障を持つと保険料が無駄になりやすいからです。保障額や保険料負担を冷静に見直すことが大切です。
Q2. 子どもがいる場合でも終身保険は不要?
A 子どもが小さい場合は死亡保障が必要ですが、一定期間だけ保障があれば十分なことも多いです。定期保険と比較検討するのが合理的です。
Q3. 終身保険は相続対策に向いている?
A はい。死亡保険金には相続税の非課税枠があるため、相続対策として活用されることが多いです。相続人の人数によって非課税枠が異なります。
Q4. 保険料を抑える方法は?
A 払込期間を短くする、保障額を必要最小限にする、無解約返戻金型を選ぶなどの方法があります。保障内容を絞ることがポイントです。
Q5. 積立型の終身保険は貯蓄の代わりになる?
A 強制的に積立できる点はメリットですが、解約返戻金の増え方はゆるやかです。他の資産運用と比較して目的に応じて判断しましょう。
まとめ
終身保険は、死亡保障が一生涯続く安心感と積立機能を兼ね備えていますが、必ずしもすべての人に必要なわけではありません。特に現役世代にとっては、保障期間を限定した定期保険のほうが合理的な場合もあります。
一方で、相続対策や葬儀費用の準備として活用できる終身保険は、特定の目的を持つ人にとって有効な選択肢です。保険料負担とのバランスを考えた設計が重要です。
大切なのは「自分にとって必要な保障額と期間」を正しく見極め、無理のない保険設計をすること。ライフプランや家族構成に応じて柔軟に判断しましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
終身保険が必要かどうかは、年齢、家族構成、貯蓄状況などによって大きく異なります。「一生涯の保障が欲しい」という安心感は魅力ですが、保険料が高めになる点を考慮しないと、家計を圧迫する原因にもなります。
相続対策として終身保険を利用する場合は、非課税枠を意識した設計がポイントです。また、老後の生活費や医療費、介護費用など、他の支出と合わせて総合的に備える必要があります。
保障は必要最小限、貯蓄や運用は別に考えるという考え方もひとつの手です。保険も資産形成も「目的と期間」をしっかり整理したうえで選択することが、損をしないための基本です。