

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般
「良性腫瘍でもがん保険から保険金は出るの?」
「ポリープや子宮筋腫の手術をしたけど請求できる?」
がん保険に加入している方の中には、「がん」という言葉がつかない病気でも請求できるのかと迷うケースが少なくありません。特に良性腫瘍やポリープ、子宮筋腫などは、がん(悪性新生物)とは異なるため、保険金の対象にならない場合が多いです。
この記事では、良性腫瘍ががん保険の対象になるかどうかの判断ポイントと、請求時に確認すべき注意点をわかりやすく解説します。
良性腫瘍とがん保険の保障範囲
良性腫瘍とがん保険の保障範囲を理解する4つのポイント
1. がん保険の対象は「悪性新生物」が基本
がん保険の給付対象は「悪性新生物」と明記されていることが多く、がん(癌・悪性腫瘍)の診断が必須です。良性腫瘍は病理的に異なるため、原則として給付対象外です。
2. 上皮内新生物は保障対象となることが多い
がんの一歩手前である「上皮内新生物(早期がん)」については、多くの保険で保障対象になっています。上皮内がん用の診断給付金額が別に設定されている場合もあります。
3. 良性腫瘍は基本的に保障対象外
子宮筋腫、卵巣嚢腫、皮膚腫瘍、ポリープ(大腸ポリープなど)の多くは良性腫瘍に分類され、がん保険の診断給付金や入院給付金の対象外となることが一般的です。
4. 特定のポリープ・腫瘍は医療保険で対象になる場合も
医療保険には、良性腫瘍やポリープの手術が給付対象に含まれる場合があります。がん保険ではなく、医療保険の保障内容を確認することが大切です。
保険金請求の判断ポイントと注意点
がん保険請求時に確認すべき3つの視点
1. 診断名と病理結果を確認する
保険金請求時には、医師からの診断書が必要です。「悪性新生物」と記載されていない場合、がん保険の給付対象とならないケースが多いので注意しましょう。
2. 上皮内新生物かどうかをしっかり確認する
上皮内新生物であれば、がん保険で診断給付金が支払われるケースがあります。病理検査の結果が「上皮内新生物」とされているかどうかが判断の基準です。
3. 医療保険や手術特約の対象もチェックする
良性腫瘍による手術や入院は、がん保険ではなく医療保険の給付対象となることが一般的です。医療保険の契約内容も合わせて確認しましょう。
良性腫瘍は原則がん保険の対象外、医療保険との使い分けがカギ
給付対象となるかどうかは診断名と病理結果で決まります。医療保険との保障内容も合わせて確認し、適切に請求しましょう。
がん保険の保障内容と給付金のしくみ
がん保険を検討する際、保障開始のタイミングや給付金の種類を正しく理解することが大切です。
保障開始時期と待ち期間
がん保険では契約直後から「がん以外の死亡保障」が開始されますが、がん保障は一般的に一定の待ち期間を経て開始されます。
この期間中にがんと診断された場合、保障の対象外となる点に注意が必要です。
がん保険で受け取れる主な給付金
がんと診断された際に受け取れる給付金には以下のような種類があります。
給付金の種類 | 給付を受け取れる条件 |
---|---|
がん入院給付金 | がん治療のために入院した場合 |
がん手術給付金 | がん治療のための所定の手術を受けた場合 |
がん診断給付金 | がんと医師により診断確定された場合 |
がん死亡給付金(保険) | がんが原因で死亡した場合 |
死亡給付金(保険) | がん以外の死亡(事故や病気など)で亡くなった場合 |
保険商品によっては先進医療給付金や通院給付金などの特約が付加できる場合もあります。
よくある質問 Q&A
Q1. 良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは何ですか?
A 良性腫瘍は転移や浸潤を起こさず、基本的に命に関わらない腫瘍です。一方、悪性腫瘍(がん)は周囲の組織に広がったり転移する性質があり、命に関わる危険性があります。
Q2. 大腸ポリープの切除はがん保険の対象になりますか?
A 切除したポリープが「悪性新生物」または「上皮内新生物」と診断されれば対象になる場合があります。良性ポリープなら対象外です。
Q3. 子宮筋腫の手術はがん保険の対象ですか?
A 子宮筋腫は良性腫瘍に分類されるため、がん保険の対象外です。医療保険の手術給付金などでカバーされる場合があります。
Q4. 上皮内新生物の場合は給付金は減額されますか?
A 多くのがん保険では、上皮内新生物への給付金額が通常の悪性新生物より低く設定されています(例:半額など)。契約内容によって異なります。
Q5. 病名がよくわからない場合、保険会社に相談できますか?
A はい。医師の診断書や病理結果をもとに、保険会社に確認することが可能です。請求前に問い合わせることで、スムーズな手続きにつながります。
まとめ
がん保険は、「悪性新生物」または「上皮内新生物」を対象とする設計が一般的です。そのため、良性腫瘍やポリープ、子宮筋腫などは原則として対象外となります。
手術を受けた場合は、まず診断名や病理結果を確認することが重要です。特に「上皮内新生物」と診断されていれば、がん保険の給付対象となる可能性があります。
また、良性腫瘍の治療に対しては医療保険の手術給付金や入院保障が役立つ場合もあります。契約している保険をよく見直し、適切に請求を行いましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
がん保険は、基本的に「悪性新生物」を対象とした保障設計になっています。しかし、病気の名称や診断書の表記がわかりにくく、請求すべきかどうか判断に迷う方は多いものです。
良性腫瘍やポリープについても、場合によっては「上皮内新生物」という早期がんの診断がつくことがあります。この区別を正しく理解し、給付対象かどうかを慎重に確認することが大切です。
保険の請求は、「自分の判断だけで進める」のではなく、医師の説明をもとに、保険会社にも確認しながら行うことが、確実な請求につながります。医療保険やがん保険の保障内容を定期的に見直し、自分に必要な備えを無理のない範囲で整えておくことが重要です。