

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「本当に医療保険は必要?」と感じたことはありませんか?実はすべての人にとって医療保険が必須というわけではありません。経済状況や公的制度の理解度、勤務先の福利厚生など、ライフスタイルによっては医療保険が不要な場合もあります。
この記事では、医療保険が不要なケースを7つのパターンに分け、統計データや実例をもとに詳しく解説します。不要な保険料の支払いを避け、家計に余裕を持たせるための判断材料としてご活用ください。
医療保険が不要な7つのケース
厚生労働省の調査や各種制度をもとに、医療保険が不要とされる代表的なケースを7つ紹介します。
1. 十分な貯蓄がある人
2023年の総務省家計調査によると、2人以上世帯の平均貯蓄額は約1,800万円。生活費の半年〜1年分の貯蓄があれば、入院など突発的な医療費も自己負担で対応可能です。
また、高額療養費制度と合わせれば、100万円の医療費でも自己負担は9万円前後に抑えられます。
2. 勤務先の福利厚生が手厚い人
企業の健康保険組合には「付加給付制度」や「団体医療保険」があり、入院費や先進医療費をカバーしてくれる場合があります。
2024年の調査では、大企業の70%以上が従業員に医療給付を提供しており、扶養家族にも適用されるケースがあります。
3. 高額療養費制度を理解している人
月8万円以上の自己負担が発生しても、その超過分が還付される仕組みを理解し、限度額適用認定証を事前取得できる方は、医療保険の必要性が下がります。
制度を知らずに過剰な保険に加入するケースも多く、制度理解は保険料節約の第一歩です。
4. 共働きで収入が安定している世帯
片方が病気になっても、もう一方の収入で生活を維持できるため、保険の必要性は下がります。家計調査によると、共働き世帯の平均貯蓄率は単身世帯の1.5倍とされています。
また、傷病手当金など、会社員ならではの制度を夫婦で活用できる点も強みです。
5. 健康な若年層
20〜30代の入院率は非常に低く、全日本病院協会のデータでは、20代の入院率は全年齢中で最も低い4.2%。保険料より貯蓄や投資に資金を回すほうが合理的なケースもあります。
公的医療制度をうまく使いながら、健康維持に注力する方が長期的にコスパが良いと言えるでしょう。
6. 公的保険制度を活用できる人
高額療養費制度、傷病手当金、医療費控除などを正しく申請し活用できる方は、民間保険に頼らずとも医療費対策が可能です。
申請ミスや制度理解不足による過剰加入を避けるには、情報収集と確認が不可欠です。
7. 資産形成に取り組んでいる人
月1万円の医療保険の保険料を30年間支払えば360万円。これを年利4%の積立投資に回せば約690万円に成長する可能性があります(複利運用)。
突発的な出費には生活防衛資金(半年分の生活費)で備え、長期的には保険より投資の方が資金効率が良いという考え方も現実的です。
ケーススタディ|実際に医療保険に頼らない生活を選んだ人たち
ここでは実際に医療保険に加入していない人たちの選択を紹介します。
ケース1|30代共働きDさん夫妻の選択
夫婦ともに正社員で、傷病手当金制度が整った企業に勤務。生活費の1年分(約300万円)を現金で確保したうえで、医療保険には加入せず、余剰資金をつみたてNISAで運用中。
万が一の入院時も生活に支障がないため、保険料を払うより資産形成を優先しました。
ケース2|50代自営業Kさんの戦略
国民健康保険加入のKさんは、高額療養費制度を活用するため「限度額適用認定証」を常に準備。先進医療のリスクには別途現金100万円を確保し、医療保険は未加入。
必要に応じて医療費控除も活用しており、「制度の理解と貯蓄があれば不安はない」と語ります。
Q&A|医療保険の必要性に関するよくある質問
Q1. 医療保険に加入していないと入院費が全額負担になりますか?
A. いいえ。公的医療保険と高額療養費制度の活用により、医療費の大部分がカバーされます。
自己負担の上限額が設定されており、突然の高額な出費でも補償される仕組みがあります。
Q2. 高額療養費制度は誰でも利用できますか?
A. はい。日本の公的医療保険制度に加入していれば、年齢や収入に応じた条件で誰でも利用可能です。
限度額適用認定証の事前取得により、窓口支払いを抑えることも可能です。
Q3. 若くて健康なら医療保険は無駄ですか?
A. 無駄とは限りませんが、必要性は低いと考えられるケースが多いです。
貯蓄や予防医療に注力することで、医療費リスクを管理する選択肢もあります。
Q4. フリーランスには医療保険が必要ですか?
A. 国民健康保険には傷病手当金制度がないため、長期入院リスクへの備えとして民間保険が有効な場合もあります。
自己責任での備えが重要なため、状況に応じた検討が必要です。
Q5. 保険料を節約しつつ保障も得るには?
A. 必要最低限の保障に絞ることで、月々の保険料を大きく抑えられます。
医療保険と貯蓄・投資を併用することで、合理的な家計運営が可能です。
まとめ
医療保険が不要なケースは、公的制度の活用と家計の安定性に大きく関わっています。誰もが医療保険に入る必要はなく、自分の経済力・制度理解・生活設計に応じて判断することが重要です。
家計を守るには「保険に頼る」か「自分で備える」か。自分の価値観と現実を見極め、無駄なく効率的な選択を心がけましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
医療保険の加入は「安心」の裏返しですが、その安心にはコストが伴います。制度理解が深く、安定した家計を持つ方は、加入せずとも十分な備えが可能です。
大切なのは、自分の生活に本当に必要な保障を見極める視点と、それを支えるだけの知識と準備です。保険は万能ではありません。最適な選択のために、情報を正しく理解しましょう。