

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
50代に入ると保険料が上がり、見直しや解約を考える人が増えます。一方で病気リスクは確実に高まり、家計や老後資金に直結する局面が増えてきます。
本記事は、「保険料負担」と「備えるべき現金」の両面から最適解を導くために、不要となる条件・必要なケース・選び方・見直し手順までをプロ目線で整理しました。
結論と全体像:50代は原則「必要」だが条件次第でミニマム化
日本の公的医療保険は手厚いものの、差額ベッド代や食事代、先進医療費、長期療養中の生活費などは自己負担が残ります。50代は発症率が上がるため、現金流出の山に備える設計が要ります。
ただし潤沢な流動資産や強い福利厚生がある人は、保障を絞るか不要判断も可能。まずは以下のチェックを使い、どこが不足かを見極めましょう。
以下のチェック項目は、50代が迷いやすい判断材料を5つに圧縮したものです。リンク先の小見出しで具体策を解説します。
50代の要否チェック(先に全体像)
1. 保険料が家計の10%超か
保険全体(死亡・医療・就業不能等)で手取りの10%を超えると、家計圧迫の兆候です。特約の重複や過剰な日額を整理し、必要最小限へスリム化します。
固定費を抑えつつ、入院一時金や診断一時金など効率の高い給付へ切替を検討しましょう。
2. 3〜6か月の生活防衛資金の有無
療養で収入が減る間を乗り切る現金クッションが不足していれば、保険で平準化が必要です。日額よりも一時金重視が家計実務に合います。
貯蓄が十分なら、医療保険はベースを小さくし、がん診断一時金のみ厚めにするなどの戦略が取れます。
3. 差額ベッド代・周辺費用の備え
差額ベッド代、食事代、交通・滞在費、家事外注費は自己負担が基本。公的制度の「対象外費用」こそ資金計画の盲点です。
入院一時金+通院給付のセットで、医療外の支出もカバーしましょう。
4. 福利厚生・団体保険の範囲
団体保険や傷病手当金の有無で必要保障額が変わります。会社依存の保障は退職で消えるため、個人契約でのバックアップが重要です。
重複保障を削り、不足分だけを個人契約で補完するとムダが減ります。
5. 退職後の保障の空白
定年・再雇用終了前後は団体保険が切れ、加入もしづらくなります。現役のうちに終身医療・がん保険を確保し、空白を回避しましょう。
告知リスクが低いうちの準備が、長期の保険料総額と加入可否を左右します。
50代の必要性:加入率・疾病リスク・高額費用の3視点
加入率の高さは不安の裏返しです。生活習慣病や三大疾病の発症率上昇、対象外費用の負担増までを踏まえると、ベース保障は維持する価値があります。
とくに短期入院・通院中心の治療が増える今は、一時金・通院給付の設計が効果的です。
注意ポイント
「医療費」だけでなく、休業による収入減や家事・育児・介護の外注費も合算して不足額を見積もりましょう。
50代で「不要」と判断できる人/できない人
次の5項目は、不要判断の分岐点になりやすい条件です。自分がどこに当てはまるかを確認した上で、設計の濃淡を決めましょう。
リンク先で具体的な金額感や設計上の注意を解説します。
不要or必要の分岐(具体策へ)
1. 潤沢な流動資産がある
生活費12か月分程度の現金同等物があり、医療外費用も吸収できるなら最小限で可。がん診断一時金のみ厚めにして柔軟性を確保します。
保険は「資金繰りの平準化ツール」と割り切り、過剰な日額は削減します。
2. 福利厚生が充実している
団体医療・総合福祉団体定期・傷病手当金が手厚い職場は、個人契約は穴埋めに限定。退職後の空白を見据え終身タイプをミニマムで保有します。
会社ルール変更に備え、年1回は保障棚卸しを。
3. 世帯収入が高く固定費が低い
家計余力が十分なら自己負担を貯蓄で吸収可能。医療保険は先進医療・がん一時金など致命傷を避ける特約中心で良いでしょう。
ただし長期療養時の就業不能リスクは別途カバーが必要です。
4. 貯蓄が少ない
立替負担に耐えられない場合は、入院一時金・通院・がん診断一時金を厚めに。保険でキャッシュフローを前倒しし、治療専念環境を整えます。
免責や支払限度を家計に合わせてチューニングしましょう。
5. 健康不安・要観察所見がある
告知前の今が加入の好機。良条件での承諾が期待できるうちに、終身医療+がん保険を軸に確保しましょう。
告知緩和型は最後の手段。まずは通常告知でトライし、不担保条件の有無も確認します。
50代の選び方:独身/家庭ありで変える設計
単身は家事・移動の外注費が増えやすく一時金重視、家庭持ちは夫婦それぞれの独立契約で空白を防ぐのが基本です。
診療点数連動型だけでなく、入院一時金型・通院給付・先進医療特約の組み合わせで、医療外費用も視野に入れて設計します。
特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
終身医療保険 | 一生涯のベース保障を固定 | 若いうちの加入が有利、更新型は総額が上がりやすい |
がん保険 | 診断一時金で用途自由に資金手当 | 再発・通院長期化に備え回数・待機期間を確認 |
就業不能保険 | 長期療養時の収入減を補填 | 給付条件・免責期間・支払期間を比較 |
見直しのコツ
「主契約に付いた医療特約」だと、主契約失効で医療が消えることがあります。夫婦それぞれの独立契約が安心です。
【手順でわかる】50代の見直しポイント
まず現状の保障を棚卸しし、給付トリガー(入院・通院・手術・診断)と支払限度、自己負担の見込みを一覧化します。
次に不要な重複を削り、一時金中心に再設計。誕生日前の年齢区切り前に手続きを終えると保険料が抑えられます。
FPに聞く!50代の医療保険と家計のリアル
傷病手当金や就業不能保険との関係、老後資金とのバランスなど、迷いどころをFPにぶつけました。実務に役立つ視点を拾っていきましょう。

34歳・女性
50代で「医療保険は不要」という意見も見ます。どう考えれば良いですか?
スマホdeほけん
対象外費用や収入減まで含めて試算するのが近道です。現金クッションが厚い人は縮小、薄い人は一時金重視で備えるのが合理的です。


34歳・女性
独身と既婚で設計は変わりますか?
スマホdeほけん
独身は移動・家事外注費を見込み一時金を厚めに。既婚は夫婦別の独立契約で、主契約連動の消滅リスクを避けると安心です。


34歳・女性
先進医療や自由診療への備えは必要ですか?
スマホdeほけん
先進医療特約は費用対効果が高めです。がん診断一時金と合わせると、遠方通院や滞在費にも柔軟に対応できます。


34歳・女性
保険料が高く感じます。削るならどこから?

34歳・女性
まず重複特約と過剰な日額を削り、診断・入院一時金へ振替を。就業不能は免責や給付期間を家計に合わせて調整します。
よくある質問(Q&A)
Q1. 50代は医療保険より貯蓄が優先ですか?
A. 仮に十分な流動資産があれば縮小可ですが、対象外費用と収入減を含めた不足額が出るなら保険で平準化しましょう。併走が基本です。
Q2. どの保険を優先すべき?
A. がん診断一時金と入院一時金のセットが実務的。短期入院・通院中心でも使いやすく、家計のキャッシュフローに合います。
Q3. 主契約の特約として医療保障で問題ありませんか?
A. 主契約失効時に医療が消えるリスクがあります。医療は独立契約にするほうが長期的に安全です。
Q4. 退職後に加入しても間に合いますか?
A. 健康状態次第で加入困難・高額化の恐れがあります。現役のうちに終身医療とがんをベースで確保しておきましょう。
Q5. 就業不能保険は必要ですか?
A. 長期療養時の収入減に備える重要なピースです。免責期間と給付条件を家計に合わせて選ぶと無駄が減ります。
まとめ:50代の「不要・必要」は家計と老後資金で最適化
50代は疾病リスクが上昇し、公的制度の対象外費用も無視できません。貯蓄が厚い人は縮小や特約中心、薄い人は一時金重視で設計し、退職後の空白は終身で埋めるのが現実解です。
保険は現金流出の山をならす道具、老後資金はNISA・iDeCoで作るのが王道。迷う場合は無料のFP相談で、家計全体を俯瞰した最適化を進めましょう。
公的外部リンク|医療費・保険・制度の公式情報
リンク | 概要 |
---|---|
高額療養費制度(厚生労働省) | 自己負担上限・世帯合算・限度額適用認定証の解説 |
先進医療の概要・技術一覧(厚生労働省) | 先進医療の対象技術・費用と保険適用範囲 |
入院時の食事療養費・生活療養費(厚生労働省) | 標準負担額(食事代等)の基準と減額制度 |
特別療養環境室(差額ベッド代)Q&A(厚生労働省) | 差額ベッド代の発生条件・同意書の取り扱い |
傷病手当金(全国健康保険協会) | 支給要件・計算方法・申請手続(様式あり) |
がん情報サービス(国立がん研究センター) | 治療・費用・相談先など公的がん情報の総合ポータル |
介護保険制度の概要(厚生労働省) | 要介護認定・利用できるサービス・自己負担割合 |
高額介護サービス費(厚生労働省) | 介護保険の自己負担上限・払い戻しの仕組み |
医療費控除(国税庁) | 対象となる医療費・計算方法・必要書類 |
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
50代は「保険料の上昇」と「疾病リスクの上昇」が同時進行します。保険は闇雲に増やすのではなく、対象外費用と収入減を見積もり、必要部分だけを一時金中心に確保するのが効率的です。団体保険や傷病手当金など職域の保障は強力ですが、退職で切れる点に注意しましょう。
見直しでは主契約に付帯した医療特約の扱い、先進医療や通院給付の有無、告知の可否など論点が多岐に渡ります。自力での比較に限界を感じたら、第三者のFPに家計と保障の同時最適化を依頼するのが近道です。