

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般
「健康診断で異常が見つかったけれど、保険に入れるのか不安」――多くの人が抱えるこの悩み。実際、保険会社は契約時に健康状態を重視し、診断結果が加入可否を左右することも少なくありません。
本記事では、健康診断が保険審査に与える具体的な影響と、審査に通りにくい項目、さらに持病や再検査項目がある人でも加入しやすい「引受基準緩和型医療保険」について、最新の情報と制度に基づいて解説します。
健康診断の指摘は保険加入審査でどう扱われるのか?
医療保険の加入において、申込者の健康状態は最も重要な審査項目です。特に健康診断結果に「要再検査」や「要精密検査」がある場合、保険会社はその内容を慎重に確認し、リスクの高い疾病が疑われると加入が見送られるケースが多くなります。
例えば、肝機能(γ-GTP)、血糖値、血圧、腫瘍マーカーの異常などが該当します。また、すでに治療中である病気や過去に大病を患った既往歴がある場合、通常の医療保険では「引受不可」や「特別条件付き契約」となる可能性があります。
保険加入審査に影響を与える主な診断項目
診断項目 | 具体例 | 加入審査の影響 |
---|---|---|
肝機能異常 | AST・ALT・γ-GTPなどの上昇 | 追加資料提出または条件付き契約 |
血圧異常 | 140/90mmHgを超える高血圧 | 治療状況により否決または特別料率 |
糖代謝異常 | HbA1cが基準値を超過 | 糖尿病の可能性がある場合は保留 |
腫瘍マーカー | CEA・CA19-9等が高値 | がんリスクとして加入拒否の対象 |
通常の医療保険に入れないときの選択肢:引受基準緩和型医療保険
健康診断で異常が見つかり、通常の医療保険に加入できなかったとしても、完全に選択肢がないわけではありません。引受基準緩和型医療保険は、持病や過去の通院歴がある方を対象に設計された保険商品です。
このタイプの保険では、告知項目が2~3問と非常にシンプルで、「過去2年以内に入院したか」「がんと診断されたことがあるか」など、限定的な情報のみで審査されます。したがって、過去に慢性疾患や再検査歴がある方でも、一定の条件を満たせば加入が可能です。
引受基準緩和型の留意点と加入時の注意
引受基準緩和型医療保険には、いくつかの制限が存在します。まず、保険料は通常の医療保険より割高であることが一般的です。また、契約から1〜2年間は既往症や持病に起因する入院や手術について給付対象外となる「待機期間」が設けられている場合が多くあります。
このため、加入時には保障内容と除外事項、給付条件を十分に比較検討し、自身のリスクに見合った保障が受けられるかどうかを確認することが重要です。
医師との相談と他社比較も重要な対策
健康診断で異常を指摘された場合、自己判断で諦めるのではなく、まずは主治医に診断内容や健康状態の評価について相談しましょう。医師からの所見や治療状況の報告書が、保険会社にとって重要な判断材料となるケースもあります。
また、同じ告知内容でも保険会社ごとに審査基準は異なります。複数の保険会社に相談し、見積りや告知項目の違いを比較することで、自分に最適な選択肢を見つける可能性が広がります。
まとめ:健康診断後の保険加入は「無理」ではない
健康診断で異常が見つかった場合でも、すべての保険が加入できなくなるわけではありません。診断結果の内容や、現在の健康状態に応じた保険を選択することで、十分な保障を確保することは可能です。
特に引受基準緩和型医療保険は、持病や経過観察中の方にとって重要な選択肢です。給付制限や保険料の比較などをしっかり行いながら、安心できる保障を確保しましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保険審査において健康診断結果が占める比重は非常に高く、わずかな数値異常であっても慎重な審査が行われるのが実情です。ただし、それはあくまで一つの目安であり、加入の可能性を完全に否定するものではありません。
最近は「保障を諦めない」ことをコンセプトにした引受基準緩和型の保険商品が充実しています。医療ニーズの多様化に対応するには、画一的な告知制度だけでなく、多様な保険選択肢を知ることが何よりも重要です。