

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
AFP・2級FP技能士
「医療保険に加入しても無駄になるだけじゃないの?」
「貯蓄があれば医療費はカバーできるって本当?」
医療保険の必要性についてはさまざまな議論がありますが、全員に当てはまる正解はありません。大切なのは、自分のリスク許容度と経済状況を踏まえて判断することです。
この記事では、医療保険が「いらない」と考えられる理由と、それでも備えが必要なケースを冷静に整理します。
医療保険が「不要」とされる理由を冷静に分析
1. 高額療養費制度で医療費の天井が決まっている
公的医療保険の一環として、高額療養費制度が用意されています。これにより、自己負担額は収入に応じた上限内に抑えられ、経済的な破綻リスクは限定的です。
2. 緊急資金があれば自力でカバーできる
一定の貯蓄があれば、短期入院や軽度の手術程度なら自己資金で十分対応できるため、わざわざ医療保険料を払う必要はないという考え方です。
3. 医療技術の進歩で入院期間が短くなっている
現在はほとんどの病気で入院期間が短縮され、外来や通院で治療が完結するケースが増えています。そのため、長期入院に備える保険の価値が相対的に下がってきています。
4. 保険料がコストパフォーマンスに見合わない
医療保険に何十年も加入し続けると、支払った保険料総額が給付金を大きく上回ることもあります。特に若く健康な人にはコストパフォーマンスが悪い場合も。
それでも医療保険が必要な人とは?自分に必要かを見極める
医療保険の必要性を判断する4つのポイント
1. 貯蓄が十分かどうか
医療費・生活費を数か月分カバーできるだけの貯蓄がない場合、医療保険による支えが現実的なリスク管理手段になります。
2. 長期治療のリスクにどう備えるか
がんや心疾患など、治療が長期に及ぶ病気に備えたい場合、医療保険やがん保険の活用が検討に値します。
3. 収入源が途絶えたときの影響
会社員でも傷病手当金が出るまでに時間差があり、自営業者なら一切の補償がありません。働けないリスクに対して備えたい方は保険が役立ちます。
4. 精神的な安心感を重視するか
医療費負担以上に、突発的な出来事に対して精神的な支えを得たい人には、医療保険の「安心料」という側面も無視できません。
医療保険は「無駄か、安心か」は人それぞれ
リスク許容度と生活スタイルに応じて、必要な人・不要な人が分かれます。
判断基準は「自分の未来に対する備え方」によって変わることを覚えておきましょう。
よくある質問 Q&A
Q1. 医療保険は本当に必要ないのでしょうか?
A 一定の貯蓄があり、生活防衛資金が確保できている場合は不要と判断できるケースもあります。ただし、リスク許容度によって異なります。
Q2. 高額療養費制度だけでは不安な理由はありますか?
A はい。差額ベッド代や先進医療、通院交通費など、高額療養費制度の対象外となる自己負担も意外と多い点に注意が必要です。
Q3. 医療保険に加入するメリットは何ですか?
A 医療費支出リスクをカバーできるだけでなく、病気や入院に対する精神的な安心感を得られるメリットもあります。
Q4. 自営業者は医療保険に入るべきですか?
A 会社員と違い傷病手当金などの公的補償がないため、自営業者は医療費・休業リスクへの備えとして医療保険加入を検討する価値があります。
Q5. どんな人でも医療保険はいらないのですか?
A すべての人に不要とは言えません。貯蓄の有無、家族構成、働き方などに応じて必要性は大きく変わります。
まとめ
医療保険は、万人に必須の保障ではありません。
貯蓄が十分ある、生活費を自力でカバーできる、リスク許容度が高い──そんな方にとっては、医療保険は「いらない」選択肢にもなり得ます。
しかし、将来への不安や収入減リスクに備えたい方には、医療保険は有力な生活防衛策となります。
冷静にリスクと生活設計を見極めて、自分に最適な判断をしていきましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
「医療保険はいらない」という意見が目立つ一方で、個々の事情に応じた柔軟な判断が求められる時代です。
医療制度の充実に甘えるのではなく、自己責任でどこまでリスク管理できるかを真剣に考える必要があります。保険はリスク移転の手段のひとつにすぎません。
加入の有無を決める際には、家計状況、健康リスク、家族の有無、職業リスクなどを多角的に評価し、「自分にとっての最適解」を見つけることが重要です。