

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
AFP・2級FP技能士
「変額保険って普通の保険とどう違うの?」「投資っぽいけど、保障もあるって本当?」
近年、資産形成ニーズの高まりとともに注目されているのが変額保険です。これは、死亡保障という生命保険本来の機能に加え、保険料の一部を株式や債券を含む投資信託で運用することで、資産の増加を目指せる“運用型保険商品”です。
ただし、運用実績によって解約返戻金や満期保険金が変動するため、元本割れリスクを伴うことも理解しておく必要があります。金融リテラシーが求められる商品である一方、長期的な資産形成やインフレ対策として有効に活用できる可能性もあります。
この記事では、変額保険の基本構造からメリット・デメリット、加入時に押さえておきたい判断ポイントまで、専門的な観点からわかりやすく解説します。
変額保険とは?
変額保険とは、運用実績によって保険金や解約返戻金の額が変動する生命保険です。
契約者が保険料を支払い、その一部を投資信託などで運用することで、将来的な受取額が変化します。
変額保険の基本的な特徴
- 死亡保障を持ちながら資産運用ができる
- 解約返戻金や満期保険金は運用成果次第で増減する
- 運用先を自分で選べるタイプもある
変額保険はやめたほうがいい?
資産運用と死亡保障を同時に備えられる商品として人気の変額保険。ですが一方で、「変額保険はやめたほうがいい」という声があるのも事実です。
本当にやめるべきか、それとも継続すべきか——その判断には“自分に合っているかどうか”の見極めが必要です。
変額保険が「やめたほうがいい」とされる主な理由
変額保険は保障と資産運用を組み合わせたユニークな保険ですが、その性質上、すべての人に適しているとは限りません。以下は、見直しを検討すべき主な理由です。
まず、元本割れのリスクがある点です。変額保険は特別勘定で資産運用を行うため、運用実績によって解約返戻金が変動します。運用成績が悪化すれば、支払った保険料総額を下回る可能性もあり、元本保証を重視する方には適していません。
次に、保険料が割高になりやすい点も見逃せません。死亡保障と資産形成を同時に提供する設計であるため、同程度の保障を持つ定期保険や、単体の投資信託と比べるとコストパフォーマンスが劣る場合があります。
さらに、手数料が見えづらいというデメリットもあります。運用にかかる信託報酬や管理費用が商品に内包されており、外からは分かりにくい構造になっています。結果として、費用対効果の把握が難しく、投資初心者が気づかぬうちに高コスト商品を保有してしまうリスクもあります。
やめたほうがいい人の特徴とは?
投資に対する理解が浅い人は、リスクや価格変動に耐えられず、変額保険には不向きです。
「安全資産」として変額保険を選んでいる人は、元本保証を前提にしていることが多く、思わぬ損失にショックを受ける可能性があります。
保険としての目的がぶれている場合、「保障がほしい」のか「お金を増やしたい」のかがあいまいで、見直しが必要です。
解約・見直しの判断ポイント
こんなときは見直しを検討
- 資産運用の成果が気になって不安が続いている
- 他により低コストで同じ目的を達成できる商品がある
- 今後の保険料が家計を圧迫している
ただし、解約のタイミングや返戻金の状況次第では損失が出ることもあるため注意が必要です。
変額保険は「目的」と「リスク許容度」が合っていなければ見直し対象
“続けるべきか”ではなく、“今の自分に合っているか”で判断を。
すべての人に「やめたほうがいい」わけではない
確かに変額保険にはリスクが伴い、適していない人もいます。しかし、それは裏を返せば「向いている人にとっては有効な選択肢」であるということです。
たとえば、ある程度の投資知識があり、長期的な資産形成を視野に入れている方にとっては、死亡保障を確保しながら効率よくお金を育てられるメリットがあります。また、インフレリスクに備えながら資産価値を維持したいと考える層にも支持されています。
大切なのは、自分のライフプランやリスク許容度に合っているかを正しく見極めることです。変額保険を“やめるべきかどうか”ではなく、“自分に合っているかどうか”という視点で冷静に判断することが、後悔しない選択につながります。
Q&A
Q1. 変額保険をやめたほうがいいのはどんな人?
A 元本保証を求める人や、短期間で解約する可能性がある人は慎重に考えるべきです。
Q2. 途中でやめると損しますか?
A 解約返戻金が少ない時期(初期)にやめると損になることがあります。
Q3. 続けるべきか、やめるべきか迷っています
A 運用目的・資産状況・ライフプランを整理した上で判断しましょう。プロに相談するのも一案です。
Q4. 他の保険や投資の方がいいですか?
A 目的によっては、定期保険+投資信託の方が効率的な場合もあります。
Q5. 配分先の変更でリスクは抑えられますか?
A はい、リスクの低いファンドに変更すれば安定性を高めることも可能です。
まとめ
変額保険は、死亡保障を持ちながら長期的な資産運用を実現できる点で、従来の保険とは異なる機能を持った商品です。特に、インフレによる資産価値の目減りや将来の生活資金確保を意識する層にとっては、有効な選択肢となり得ます。
一方で、市場の変動により解約返戻金が元本を下回る可能性がある点や、手数料の構造が複雑である点など、金融商品としてのリスク特性を十分に理解しておくことが前提となります。
変額保険は「保障と資産形成を両立させたい人」に向いた設計ですが、ライフプランやリスク許容度によっては見直しが必要なケースもあります。
保険は契約時の判断だけでなく、家計状況や資産構成の変化に応じて適切に見直していくことが重要です。変額保険が現在の自分にとって合理的かどうか、改めて点検する機会を設けましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
変額保険は、死亡保障と資産形成機能を同時に備えたハイブリッド型の金融商品として位置づけられますが、その本質は「投資リスクを内包する保険」です。保険料の一部が特別勘定に拠出され、投資信託等で運用されることにより、解約返戻金や満期金が市場動向に連動して変動する仕組みです。そのため、契約時点で「最低保証はあるが元本保証ではない」ことを正確に理解しておく必要があります。「保険」という名称の印象だけで安全資産と誤認するのは極めて危険です。加入にあたっては、保障目的・許容できるリスク水準・手数料を含むコスト構造の3点を定量的かつ論理的に精査し、「リスク管理型の投資商品」として妥当な選択肢かどうかを判断すべきです。保険本来の保障機能と投資運用の成果を同時に追求するには、高い金融リテラシーと中長期的な資産設計に基づく意志決定が求められます。