

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「双極性障害と診断されたら保険には入れないの?」と不安を感じていませんか。精神疾患があると、一般的な保険に加入しづらいのは事実です。しかし、加入できる可能性のある保険や利用できる公的制度は存在します。
この記事では、双極性障害で保険金はおりるのか、どんな保険に加入できるのかを詳しく解説します。さらに、公的制度や活用のポイントも紹介しますので、最後までお読みください。
双極性障害で保険金はおりる?
双極性障害の治療にかかる費用(通院・入院など)は、健康保険などの公的制度でカバーされ、原則3割負担です。
さらに、高額療養費制度を使えば、月ごとの自己負担額が一定額で抑えられます。ただし、民間の医療保険から給付金を受け取れるかは、契約内容によって異なります。
1. 保険金が支払われないケースに注意
以下の場合は給付金が支払われないことがあります。
・告知義務違反があった場合
・責任開始前に発症していた場合
・精神障害による事故や自傷行為
加入中の保険の約款や条件を必ず確認しましょう。
2. 利用できる公的制度一覧
双極性障害を持つ方は、医療費や生活費の負担を軽減するために複数の公的制度を利用できます。
代表的なものに、自立支援医療制度、高額療養費制度、傷病手当金、障害年金などがあります。これらを活用すれば、医療費や休職時の収入減少を補えます。
3. 加入できる保険の種類
通常の医療保険や生命保険は加入が難しい場合がありますが、引受基準緩和型保険や無選択型保険、がん保険などは条件によって加入が可能です。
加入の際は、精神疾患の保障対象や除外条件を必ず確認し、補償内容が必要な範囲をカバーしているかを見極めましょう。
4. 保険選びの注意点
双極性障害の方が保険を選ぶ際には、告知内容や支払削減期間の有無、精神疾患が対象かどうかを確認することが重要です。
また、公的制度との併用を前提に、過不足のない保障額を設定しましょう。
5. 専門家に相談する重要性
精神疾患がある場合、加入できる保険や条件は複雑です。保険商品や公的制度に詳しいFPや社会保険労務士に相談することで、自分に合った最適な備え方が見つかります。
特に、保障と保険料のバランスを考慮しながら、長期的に継続できるプランを提案してもらえるのが専門家相談の大きなメリットです。
双極性障害でも加入できる保険はある?
通常の医療保険・死亡保険の加入は難しいですが、以下の保険なら可能性があります。
加入しやすい保険の種類
1. 引受基準緩和型保険
告知項目が3つ程度に絞られ、双極性障害でも加入できる場合があります。ただし、保険料は割高で、加入から1年間は給付金が半額になることが多いです。
2. 無選択型保険(無告知型)
告知不要で誰でも加入できますが、既往症による入院は対象外となることが多く、保険料も高めです。
3. がん保険
がんに関する告知のみなので、双極性障害があっても加入しやすいのが特徴です。
4. 特定疾病保障の活用
特定疾病保障保険は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中など特定の重大疾病に備える保険です。精神疾患は対象外ですが、その他の大きな病気のリスクに備えることができます。
双極性障害をお持ちの方でも、条件を満たせば加入できる場合があるため、健康状態や告知内容を確認しましょう。
5. 収入保障保険(条件付き)
病気やケガで長期間働けなくなった場合に毎月給付金が受け取れる保険です。精神疾患が原因の場合は対象外になることが多いですが、他の疾病や事故による就業不能には備えられます。
契約前に保障対象外となる条件や支払期間をしっかり確認し、自分の生活設計に合ったプランを選ぶことが大切です。
注意ポイント
精神疾患が原因の就業不能をカバーできる保険は限られます。加入条件を必ず確認しましょう。
保険を選ぶ際の注意点
双極性障害の方が保険を選ぶ際は、次の3点に注意してください。
・精神疾患が保障対象か確認する
・支払削減期間の有無をチェック
・公的制度とのバランスで保障額を設定
FPに聞く!双極性障害と保険・公的制度のリアルな疑問
実際に双極性障害を持つ方やその家族が、FPに保険や経済面での備え方について質問しました。公的制度の活用や民間保険の選び方など、専門的な視点で解説します。

34歳・女性
双極性障害だと、やはり普通の医療保険や生命保険には入りにくいですか?
スマホdeほけん
はい、一般的な保険は審査で落ちる可能性が高いです。ただし、引受基準緩和型や無選択型、がん保険など一部の保険は加入可能です。加入条件や制限内容を必ず確認しましょう。


34歳・女性
加入できる保険は限られている中で、どのように選ぶべきでしょうか?
スマホdeほけん
保障対象と除外条件のバランスを見極めることが重要です。精神疾患は対象外でも、がんや他の重大疾病をカバーすることでリスク分散が可能です。


34歳・女性
公的制度はどこまで生活を支えてくれますか?
スマホdeほけん
自立支援医療や高額療養費制度で医療費負担は大きく軽減されます。しかし、生活費や収入減まではカバーできないため、傷病手当金や障害年金の併用が大切です。


34歳・女性
民間保険と公的制度の役割分担はどう考えればいいですか?
スマホdeほけん
公的制度は医療費の直接負担軽減、民間保険は生活費や長期療養時の収入補填という役割分担が基本です。重複保障ではなく補完関係を意識してください。


34歳・女性
将来のために今からできる準備は何ですか?
スマホdeほけん
加入できる保険は健康状態が比較的安定しているうちに検討し、同時に緊急時の生活費を3〜6ヶ月分貯蓄しておくことをおすすめします。

よくある質問(Q&A)
Q1. 双極性障害で通常の保険に入れない理由は?
A. 再発リスクや入院リスクが高く、保険会社が慎重に審査するためです。
Q2. 双極性障害を隠して加入したら?
A. 告知義務違反で保険金が支払われないだけでなく、契約解除の可能性があります。
Q3. 公的制度でどこまでカバーできる?
A. 自立支援医療や高額療養費で医療費を軽減できますが、生活費まではカバーできません。
Q4. 無選択型保険はおすすめ?
A. 最終手段です。保険料が高く、既往症は対象外になることが多いです。
Q5. FPに相談するメリットは?
A. 自分に合った保険と公的制度の組み合わせを提案してもらえます。
まとめ
双極性障害があっても、引受基準緩和型や無選択型保険で加入できる可能性があります。さらに、公的制度を活用すれば、経済的負担を大幅に軽減できます。
「加入できない」と諦める前に、条件を確認し、専門家のアドバイスを受けましょう。
双極性障害で利用できる公的制度一覧
保険に加入できない場合も、公的制度を活用すれば経済的負担を軽減できます。代表的な制度は次のとおりです。
制度名 | 概要 | 詳細リンク |
---|---|---|
自立支援医療制度 | 精神科通院の自己負担を1割に軽減 | 厚生労働省 |
傷病手当金 | 休職中に給与の2/3を保障 | 協会けんぽ |
障害年金 | 一定の障害状態で年金受給 | 日本年金機構 |
精神障害者保健福祉手帳 | 税控除・交通機関割引など優遇 | 厚生労働省 |
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
双極性障害と保険の関係は非常に複雑で、加入可否や条件は商品ごとに大きく異なります。FPとしては、まず公的制度(自立支援医療、高額療養費、傷病手当金、障害年金)の適用可否を確認し、これでカバーできない経済的リスクを民間保険で補うことを提案します。
特に注意すべきは、精神疾患が原因の就業不能や入院を保障対象外としている保険が多い点です。加入できる保険の選択肢を広げるためにも、健康状態が安定している時期に早めの検討を行いましょう。また、保険だけに頼らず、生活防衛資金や家計の固定費削減といった多角的な備えを組み合わせることが、長期的な安心につながります。