医療保険はいらない?そう言われる理由と本当に必要なケースをプロが徹底解説

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

「医療保険は入らなくていい」という意見を耳にすることがあります。しかし本当に不要なのでしょうか?

公的医療保険制度が充実している日本では、民間医療保険がいらないと考える人も少なくありません。一方で、入院や手術にかかる費用、収入減に備えて加入する人も多数います。本記事では、医療保険が不要と言われる理由と、加入を検討すべきケースをわかりやすく解説します。

医療保険とは?公的と民間の違いをおさらい

医療保険には「公的医療保険」と「民間医療保険」があります。

公的医療保険は国民皆保険制度に基づき、日本に住む全員が加入し、医療費の自己負担を軽減します。一方、民間医療保険は入院や手術の費用、先進医療など公的保障の対象外部分をカバーする保険です。

「医療保険はいらない」と言われる4つの理由

なぜ医療保険は不要と考えられるのでしょうか?主な理由を整理します。

1. 公的医療制度が手厚い

日本では医療費の自己負担が原則3割(高齢者は1〜2割)に抑えられています。さらに自治体によっては子どもの医療費助成もあり、医療費のハードルは低めです。

そのため、「ある程度の貯蓄があれば医療保険は不要」と考える人もいます。

2. 高額療養費制度がある

高額療養費制度を使えば、1カ月の医療費負担は年収に応じた上限までになります。例えば、年収500万円なら約9万円で済みます。

ただし、差額ベッド代や先進医療は対象外です。

注意ポイント

高額療養費制度は心強い制度ですが、全額カバーではなく、雑費や個室代は別途必要です。

3. 保険料が高くなる

加入年齢が高くなるほど医療保険の保険料は上昇します。高齢で加入する場合、毎月の負担は大きくなります。

そのため、将来の保険料負担を考えて加入を見送る人もいます。

4. 給付条件がある

民間医療保険は、給付条件を満たさないと支払われません。短期入院や対象外の手術では給付されない場合があります。

「払ったのに受け取れない」リスクがあることも、医療保険不要論の背景です。

5. 貯蓄で備えられる場合がある

数百万円以上の預貯金があれば、入院や手術などの医療費を自己負担で賄えるケースもあります。

十分な貯蓄がある人は、保険料負担を減らし資産運用に回すという選択肢も取れます。

医療保険が必要と考えられる2つの理由

一方で、民間医療保険に加入することで得られる大きなメリットもあります。

特に以下のケースでは必要性が高まります。

1. 公的保障でカバーできない費用

差額ベッド代や食事代、交通費などは公的医療保険の対象外です。先進医療も全額自己負担となり、治療費は数百万円に及ぶこともあります。

こうした費用をカバーするために医療保険を利用する価値があります。

2. 入院による収入減をカバー

長期入院で仕事を休むと、収入減少が発生します。会社員なら傷病手当金がありますが、金額は給料の3分の2程度です。

自営業やフリーランスには公的補償がないため、医療保険で収入減に備えることが重要です。

3. 先進医療の高額費用に備える

先進医療は公的医療保険の適用外で、技術料は全額自己負担となります。がん治療や特殊手術では数百万円かかる場合もあります。

医療保険の先進医療特約を利用すれば、高額な治療費の自己負担を軽減できます。

4. 貯蓄が少ない人の安心材料

医療費や生活費の急な支出に耐えられるだけの貯蓄がない場合、治療と生活の両方に不安が生じます。

最低限の医療保険に加入することで、経済的リスクを抑える安心感が得られます。

5. 家族に迷惑をかけたくない場合

入院や長期療養での費用を家族に負担させたくないと考える人にとって、医療保険は有効な手段です。

自己負担分を給付金でまかなうことで、家族の家計負担を軽減できます。

リスク 公的制度 民間保険の役割
高額な治療費 高額療養費制度あり 先進医療などを補う
差額ベッド代 対象外 給付金でカバー可能
入院中の収入減 傷病手当金(会社員のみ) 自営業・フリーランスを補う

プロのアドバイス

「公的保障+貯蓄」で不安なら、最低限の医療保険を持つと安心です。

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医療保険が必要な人・不要な人の特徴

どんな人が医療保険を検討すべきなのでしょうか?

次の特徴にあてはまるかどうかを確認しましょう。

必要な人の特徴

・自営業やフリーランスで傷病手当金がない人
・貯蓄が少なく、急な医療費で生活に影響が出る人
・小さな子どもがいて教育費を優先したい人

不要な人の特徴

・数百万円以上の貯蓄がある人
・公的保障と会社の福利厚生で十分カバーできる人
・保険料の支払いが家計を圧迫する人

FPに聞く!医療保険と公的制度の活用法

医療保険が必要か迷う人の多くは、公的制度との違いや使い分けが分からないことが原因です。

ここでは、傷病手当金や高額療養費制度などを含めた活用方法について、FPが実際の質問に回答します。

34歳・女性

医療保険の必要性はどのように判断すればよいですか?

スマホdeほけん

まず、貯蓄額と公的制度でどこまで医療費や生活費をカバーできるかを確認します。不足分が明確になれば、医療保険で補うか判断できます。

34歳・女性

高額療養費制度があれば医療保険は不要ですか?

スマホdeほけん

制度で自己負担は抑えられますが、差額ベッド代や先進医療費は対象外です。こうした部分は民間保険で備えると安心です。

34歳・女性

長期入院で収入が減った場合の備えは?

スマホdeほけん

会社員は傷病手当金が使えますが、金額は給与の約3分の2です。自営業やフリーランスは公的補償がないため、医療保険や就業不能保険が有効です。

34歳・女性

加入するならどのタイミングがベストですか?

スマホdeほけん

20〜30代の健康なうちに加入すると保険料を抑えられます。健康状態によっては高齢になると加入できないこともあります。

34歳・女性

公的制度の申請で気をつけることはありますか?

スマホdeほけん

高額療養費や傷病手当金は申請が必要です。必要書類や期限を確認し、入院中でも早めに準備しましょう。

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Q&A:医療保険のよくある疑問

Q&A

Q1. 医療保険が不要な人はどんな人?

A. 貯蓄が十分にあり、公的制度でカバーできる人は不要な場合があります。

Q2. 医療保険の平均加入率は?

A. 約65%の人が加入しています。特に30~50代の加入率が高いです。

Q3. 高額療養費制度で全額カバーできる?

A. いいえ。差額ベッド代や先進医療は対象外です。

Q4. 保険料を抑えるコツは?

A. 終身タイプを若いうちに契約すると安くなります。特約は必要最低限にしましょう。

Q5. 医療保険に入るベストタイミングは?

A. 30代までに加入するのがおすすめです。年齢が上がると保険料も高くなります。

まとめ:医療保険は「不要」ではなく「状況で判断」

医療保険は、全員に必要なわけではありません。しかし、公的保障ではカバーしきれない部分や収入減リスクを考えると、多くの人にとってメリットがあります。

まずは自分の貯蓄や公的制度の利用可否を確認し、必要に応じて医療保険を検討しましょう。

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公的制度の公式情報を確認しよう

医療保険の必要性を判断するには、公的制度の内容を正しく理解しておくことが不可欠です。

以下は信頼できる公的機関の公式ページで、最新の制度概要や申請方法を確認できます。

制度名 概要 公式リンク
高額療養費制度 医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。 厚生労働省
傷病手当金 病気やケガで就労不能時に給与の約3分の2を支給(最長1年6ヶ月)。 全国健康保険協会
医療費の自己負担割合 年齢や所得に応じて医療費の負担割合が1〜3割に設定されています。 厚生労働省
先進医療制度 先進医療は保険適用外で技術料は全額自己負担。対象療法は随時更新。 厚生労働省
自治体の医療費助成 子どもや高齢者の医療費自己負担を軽減する制度(自治体ごとに異なる)。 厚生労働省
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監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

医療保険の加入判断では、まず公的医療保険制度と高額療養費制度、傷病手当金などの給付内容を正確に理解することが出発点です。これらでどこまでカバーでき、どこが不足するのかを数値化することが重要です。

次に、差額ベッド代や先進医療などの自己負担部分、長期入院による収入減など、家計への影響を具体的に試算します。貯蓄で補える部分とそうでない部分を切り分け、不足分を民間医療保険で補うのが合理的です。加入後も3~5年ごと、またはライフイベント発生時に見直しを行い、保険料負担と保障内容のバランスを最適化してください。

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