

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
皮膚の下にできる良性腫瘍である粉瘤(アテローム)は、感染や腫れを繰り返すことも多く、切除手術が必要となる場合があります。こうした皮膚科的な処置が、医療保険の給付対象になるのか疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、通常の医療保険における粉瘤手術の取り扱いや、給付対象となる条件、告知との関係について詳しく解説します。
粉瘤の治療と医療保険の関係
粉瘤は皮膚の良性腫瘍であり、日帰り手術で取り除くのが一般的です。局所麻酔下での手術となり、多くの保険会社が給付対象とする「手術」に該当します。
ただし、診療報酬点数に基づいた手術給付の対象となる必要があり、点数表に記載された処置であることが条件です。
給付対象となる条件と診療報酬点数
粉瘤の切除手術は、厚生労働省の診療報酬点数表において「皮膚腫瘍摘出術」に分類され、一般的には給付対象となります。
多くの医療保険では「診療報酬点数1,400点以上」などの要件を設けており、契約約款の給付条件に適合するかを事前に確認することが重要です。
治療内容 | 診療報酬点数 | 給付可否の目安 |
---|---|---|
皮膚良性腫瘍摘出(2cm未満) | 1,410点 | ○(保険による) |
感染性粉瘤の切開排膿 | 800点前後 | ×(多くの保険で対象外) |
再発性粉瘤の摘出(2cm超) | 1,800点以上 | ○ |
注意ポイント
診療報酬点数は変更されることがあり、最新の点数表を医師または保険会社に確認することが大切です。
粉瘤の告知と保険加入時の注意点
過去に粉瘤の治療歴がある場合、保険の新規加入時にその履歴を告知する必要があります。特に直近での治療や再発を繰り返しているケースは、審査の対象となります。
ただし、完治後1年以上が経過している場合は告知不要とされる保険もあり、各社の基準を比較することが大切です。
医療保険のチェックポイント
1. 診療報酬点数の確認
医療保険で給付を受けるには、対象となる治療が診療報酬点数表に掲載されていることが前提です。
点数が一定以上であるかを保険会社と事前に確認しましょう。
2. 粉瘤の治療歴と告知要否
告知の必要性は治療からの経過期間に左右されます。
通常は1年以上経過し再発もない場合、告知不要となるケースもあります。
3. 再発時の対応方法
粉瘤は体質により再発することがあり、再発した場合も治療内容により給付可否が異なります。
再発後の対応としては、再手術の点数と保険条件の再確認が必要です。
4. 給付対象となる治療の範囲
保険会社により「対象手術一覧」が異なります。
日帰り手術でも給付対象となる商品を確認することが大切です。
5. 他の皮膚疾患との関連
アトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある場合、粉瘤との関連を問われることがあります。
医師の診断書が必要となるケースもあるため、早めに準備しましょう。
通常の医療保険と緩和型保険の比較
比較項目 | 通常型医療保険 | 緩和型医療保険 |
---|---|---|
加入条件 | 健康告知が厳格 | 告知項目が少ない |
粉瘤の保障可否 | 完治済みであれば給付対象 | 再発歴があっても条件付き可 |
保険料 | 割安 | やや高め |
ケーススタディ:30代男性の粉瘤治療と保険請求
会社員の30代男性は、首元にできた粉瘤の摘出手術を受けました。治療は日帰りで局所麻酔下に行われ、診療報酬点数は1,410点。
加入していた医療保険に該当する点数であったため、所定の手術給付金を受け取ることができました。術後の経過も良好で、再発もなく安心できる備えとなりました。
ケーススタディ:40代女性の再発粉瘤と保険会社への対応
40代の主婦の女性は、2年前に背中の粉瘤を切除後、1年以内に再発。再び手術を受けたものの、治療直後に医療保険を申し込んだため、保険会社から追加診断書の提出を求められました。
最終的に、再発後1年経過を条件に加入が承認されました。給付対象については再手術の点数と約款で確認し、無事に支払われたとのことです。
医療保険と関連する外部情報リソース
粉瘤や手術給付に関する正しい情報収集には、信頼できる外部サイトの活用が有効です。以下は参考になる代表的な情報源です。
外部リンク | 内容 | 提供元 |
---|---|---|
診療報酬点数表 | 医療行為の点数と給付対象基準 | 厚生労働省 |
生命保険文化センター | 公的・民間の医療保険制度の情報 | 生命保険文化センター |
日本FP協会 | 医療費や備えの基本知識 | 日本FP協会 |
日本皮膚科学会 | 皮膚疾患の標準的な診療ガイドライン | 日本皮膚科学会 |
全国健康保険協会 | 公的健康保険制度と医療費のしくみ | 協会けんぽ |
Q&A|粉瘤と医療保険に関するよくある質問
Q1. 粉瘤の手術はすべて医療保険の対象ですか?
A. 診療報酬点数が一定以上ある「手術」として認定される場合は対象となります。切開排膿のみの場合は対象外の可能性が高いです。
Q2. 粉瘤の治療歴があると告知は必須ですか?
A. 基本的には必要ですが、治療から1年以上経過し再発がなければ不要とする保険会社もあります。
Q3. 粉瘤が再発した場合も給付されますか?
A. 再発後の治療が診療報酬点数に該当すれば給付対象となる可能性があります。保険会社への確認が必要です。
Q4. 顔や首など目立つ部位の手術も対象ですか?
A. 部位に関係なく、診療報酬点数に該当すれば給付対象となります。
Q5. 市販薬や自然治癒では給付されませんか?
A. はい。医師の診療・手術を伴わない場合は医療保険の対象にはなりません。
まとめ
粉瘤の手術は、診療報酬点数に基づいた「手術」として扱われることが多く、条件を満たせば通常の医療保険でも給付対象となります。
重要なのは、術後の診療内容と点数の確認、そして治療歴の正確な告知です。再発の有無や告知の必要性を含め、保険会社と事前に相談することで、トラブルなく給付を受けられる体制を整えることができます。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
粉瘤は一見軽微な疾患に思われがちですが、感染リスクや繰り返す再発により生活に支障をきたすこともあります。医療保険では、こうした良性腫瘍も正確な診断・手術であれば給付対象となることがあります。
手術の点数、告知の要否、給付条件などは保険ごとに異なるため、不安な場合は必ず加入前に医師や保険会社へ相談することが肝要です。ご自身の備えとして、加入条件や保障範囲をよく理解することをお勧めします。