

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「入社して日が浅いけど、病気やケガで会社を休んだらどうなるの?」と不安を感じる方は多いはずです。
家計や生活費への影響が気になる中で、傷病手当金が受け取れるかどうかは大きな関心事です。
本記事では、入社1年未満のケースでも傷病手当金が受け取れる条件や、具体的な計算方法について詳しく解説します。
入社1年未満でも傷病手当金はもらえるの?
結論から言えば、入社して1年未満であっても、一定の条件を満たしていれば傷病手当金は支給されます。
在職中で健康保険の被保険者であることが重要で、勤続年数そのものは支給条件に含まれていません。
傷病手当金の支給条件とは?
傷病手当金は、以下の4つの条件をすべて満たすことで支給されます。
入社1年未満の方も、これらを満たせば対象になります。
1. 業務外の病気やケガである
労災保険が適用される業務中や通勤中の事故は対象外です。
あくまで私傷病(プライベートでの病気やけが)が対象になります。
2. 連続3日以上仕事を休んでいる
待機期間と呼ばれる3日間の連続した欠勤が必要です。
この間は有給・欠勤どちらでも構いませんが、連続している必要があります。
3. 4日目以降も働けない状態にある
医師の診断書などで「就労不能」とされている必要があります。
診断書がない場合は申請が認められないケースもあるため注意が必要です。
4. 給与の支払いがない、または減額されている
会社から給与が満額支給されている場合は対象外です。
欠勤により給与がゼロまたは減額されている場合に限り、手当金が支給されます。
入社1年未満の傷病手当金|どうやって計算する?
支給額の計算において「直近12か月の平均標準報酬月額」が使われますが、入社1年未満の場合は少し異なります。
実際に在籍した月数での平均をもとに計算されます。
状況 | 計算基準 | 備考 |
---|---|---|
入社1年以上 | 直近12か月の平均標準報酬月額 | 最も一般的なパターン |
入社1年未満 | 在籍月の平均標準報酬月額 | 報酬月額が未確定のため、概算される |
実際の支給額はどれくらい?計算式を解説
全国健康保険協会(協会けんぽ)のデータによると、傷病手当金の支給件数に占める精神疾患の割合は年々増加しており、令和5年には全体の約4割に達しています。
特にうつ病や適応障害などによる休職は、入社間もない人にも起こりうる問題であり、早期の備えと制度理解がますます重要となっています。
例:月収22万円の人が入社5か月目で申請した場合
標準報酬月額:220,000円
標準報酬日額:220,000 ÷ 30 = 約7,333円
支給額:7,333円 × 2/3 ≒ 4,889円/日
申請時に気をつけたいポイントと必要書類
入社1年未満の方は、報酬実績が少ないため計算の根拠が不明確になることがあります。
そのため、給与明細や雇用契約書などを提出できるよう準備しておくとスムーズです。
申請から支給までの流れ
申請は勤務先を通じて行い、会社と医師の証明書が必要です。
書類提出から支給まで2〜4週間程度かかるのが一般的です。
まとめ
入社1年未満でも、条件を満たせば傷病手当金は受給可能です。
支給額の計算には在籍期間中の平均報酬が使われるため、早めに手続きを進めることが大切です。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
入社間もない方でも、健康保険に加入していれば傷病手当金の対象になり得ます。
しかし、報酬実績が少ない場合は支給額の計算がやや複雑になるため、事前に会社の総務や社会保険労務士に相談するのが確実です。