

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
最近の調査では、20代の医療保険加入率は他の年代と比べて低い傾向にあることが明らかになっています。生命保険文化センターの「令和4年度 生活保障に関する調査」によると、20代男性の医療保険加入率は28.5%、女性は43.8%と、30代以上の平均加入率(50~70%台)に比べて顕著に低い水準です。
若さゆえの健康意識の低さや、「病気にならない自信」が影響しているとみられますが、果たしてその選択は本当に正しいのでしょうか?
20代が医療保険に入らない理由とは?
最も多い理由は「公的医療保険があるから大丈夫」「貯金で何とかなる」といった過信にあります。また、SNSなどで「保険は不要」といった情報が広まっており、実態を知らないまま判断しているケースも目立ちます。
さらに、収入がまだ少ないこともあり、「保険料がもったいない」との声も多く聞かれます。しかし、実際にケガや病気で入院や手術が必要になった際、想定外の出費に悩まされる若者も少なくありません。
社会保障制度だけではカバーしきれない現実
日本には健康保険制度があり、医療費の自己負担は3割に抑えられています。また、高額療養費制度を利用すれば、月ごとの支払額にも上限があります。
しかし、入院時の差額ベッド代、食費、先進医療費、交通費などは自己負担です。公的制度でカバーできるのは“最低限”であり、実際の負担感はそれ以上となることが多いのです。
時代背景──物価高と雇用不安
2025年に入っても、物価上昇と賃金停滞のギャップは埋まっていません。電気・ガス・食料品の値上げが続き、若者の家計にもじわじわと影響が出ています。
こうした経済的背景の中で、予想外の医療支出が発生した場合、家計のバランスを崩すリスクは高まります。特に、就業不能期間中の収入減も考慮に入れると、医療保険の重要性はさらに増していると言えます。
保険料が安いうちに備えるのが賢明
医療保険は年齢が上がるほど保険料も高くなります。20代であれば、数百円~数千円で十分な保障内容を持つ保険に加入できるのがメリットです。
また、若いうちは健康体とされ、加入審査も通りやすいため、「加入できるうちに入る」ことが将来の安心に直結します。
まとめ:20代こそ「医療リスクは他人事ではない」
SNSで拡散される保険不要論や「若いから大丈夫」という神話は、実態を伴わない安心感を生む危険性があります。医療保険は“安心を買う”投資であり、健康な今だからこそ手に入れられる備えです。
将来の後悔を未然に防ぐためにも、20代こそ医療保険をライフプランの中で真剣に検討すべき時期にあります。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
医療費の急な出費は、どの年代でも家計に影響を与えますが、貯蓄の少ない20代には特に深刻です。若年層の保険加入は、将来の医療リスクに対する“経済的な安全網”になります。
医療保険は高齢者のものではなく、むしろ健康で働き盛りの若い世代こそ必要な制度です。情報を正しく理解し、長期的な視点で備えることが大切です。