

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
TS-1(ティーエスワン)は日本で開発された経口抗がん剤で、胃がんや大腸がん、膵臓がんなど幅広いがんに使用されている治療薬です。入院せずに治療が継続できる利便性の反面、副作用や費用面の不安も抱えがちです。
この記事では、TS-1の特徴、副作用、実際の患者データ、保険との関係について解説します。がん治療を検討中の方や、その家族にとって有益な情報をお届けします。
TS-1とは?使われるがんとその仕組み
TS-1は抗がん剤の中でもフッ化ピリミジン系に属し、体内で抗がん成分に変化してがん細胞の増殖を抑えます。特にS-1という薬剤は、テガフール・ギメラシル・オテラシルの3成分で構成され、それぞれが抗がん効果を最大限に引き出すよう設計されています。
主に胃がん、大腸がん、膵がん、非小細胞肺がんなどに使用されており、外来で服用できる点が支持されています。点滴治療に比べて通院頻度が低く、患者の生活の質(QOL)を保ちやすい利点があります。
TS-1の副作用:代表的な症状と発生率
TS-1の副作用には、手足症候群(皮膚の炎症)、食欲不振、口内炎、下痢、骨髄抑制(白血球や血小板の減少)などが含まれます。厚生労働省の承認資料によると、副作用の発現率は全体の約35.9%に上るとされ、注意が必要です。
副作用の出現は個人差が大きく、特に高齢者や他疾患を併発している患者では副作用が強く出やすいため、用量調整や頻繁な経過観察が不可欠です。副作用が出た場合には速やかな医師への相談が推奨されます。
実際の治療データ:効果とQOLのバランス
国立がん研究センターのデータによると、TS-1単独療法で術後補助療法として使用された場合、胃がんの3年無病生存率は約70.1%に達しています。
ただし、TS-1は進行がんにおける延命効果を期待して使用されることもあり、完治を目的としないケースでは、患者の生活の質を重視する判断が必要です。治療選択の際には、医療チームとともにQOLも含めた総合的な視点から検討することが重要です。
治療費と保険:TS-1治療にかかる費用
TS-1は1日あたり約2,000〜4,000円の費用がかかり、月あたりでは約6万円前後が必要になることもあります。加えて、副作用対策のための薬剤や定期的な血液検査、通院費などが加わると、年間での総費用は100万円を超える場合もあります。
近年は、こうした外来中心の治療にも対応したがん保険商品が増加しており、治療費負担を軽減する有効な手段となっています。加入時には給付対象範囲や通院保障の有無を確認することが大切です。
まとめ
TS-1は高い利便性を持つ抗がん剤ですが、副作用や費用面での負担を考慮する必要があります。患者一人ひとりの状況に合わせた治療計画と、早期からの医療費対策が、安心して治療を継続するためのカギです。
がん保険を活用することで、在宅治療においても精神的・経済的な安心感を得られ、治療に専念しやすくなります。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
TS-1はがん治療の現場で広く使われており、特に通院で使用できる点で患者の生活を支える存在です。ただし、副作用や治療費の負担は無視できません。
医療費の増加が見込まれる中で、早期のがん保険加入は、予測できない支出や生活への影響を最小限に抑えるための大切な準備です。経済的な準備も、治療の質を高める一要素です。