

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「解約返戻金を受け取ったけれど、税金はどうなるの?」「確定申告って必要?」そんな疑問をお持ちの方も多いはずです。
保険の解約返戻金には、条件によっては所得税・住民税・相続税などが発生するケースがあります。本記事では、課税対象となる条件や税金の種類、ケース別の税額計算シミュレーション、確定申告の必要性について詳しく解説します。
解約返戻金と税金の関係を正しく理解しよう
保険を解約すると受け取れる「解約返戻金」ですが、この金額には税金がかかるケースと、かからないケースがあります。
税金の種類は、「契約形態」「受取人」「保険料負担者」によって異なり、一時所得・贈与税・相続税のいずれかが該当します。
1. 契約者と受取人が同じ場合(一時所得)
契約者=受取人=保険料負担者の場合、解約返戻金は一時所得に分類されます。
税額は「(解約返戻金−支払った保険料の合計−特別控除50万円)÷2」で計算され、所得税・住民税の対象になります。
2. 契約者と受取人が異なる場合(贈与税)
たとえば、父が契約者で息子が受取人の場合、贈与税の対象となります。特に注意が必要です。
この場合、保険料を負担していない受取人が返戻金を受け取るため、「みなし贈与」として課税されます。
3. 死亡保険金を相続人が受け取る場合(相続税)
被保険者が死亡し、契約者・保険料負担者が同じ相続人である場合は、相続税が課されます。
ただし、「500万円×法定相続人数」の非課税枠が適用されるため、課税されないケースも多いです。
4. 保険期間・解約時期での違い
保険を契約してすぐに解約した場合、返戻金がほとんど出ないこともあります。
長期間加入していた場合は一時所得が大きくなり、課税対象額が増える可能性もあるため注意しましょう。
5. 確定申告が必要なケース
一時所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。
複数の保険契約を解約して合計が超えるケースや、年末調整では処理されない場合もあるため、注意が必要です。
注意ポイント
税金の対象になるかどうかは「契約形態の確認」が第一歩です。加入時の契約者・被保険者・受取人の関係を必ず見直しておきましょう。
契約形態 | 課税対象 | 確定申告 |
---|---|---|
契約者=受取人 | 一時所得 | 20万円超で必要 |
契約者≠受取人 | 贈与税 | 110万円超で必要 |
死亡保険金(法定相続人) | 相続税 | 非課税枠超で必要 |
Q&A|保険の解約返戻金と税金について
Q1. 解約返戻金には必ず税金がかかるの?
A. 契約者と受取人が同じで、返戻金が支払保険料を超えていれば税金が発生します。ただし、50万円の特別控除があります。
Q2. いつまでに確定申告すればいいの?
A. 一時所得が20万円を超えた場合は、翌年の2月16日〜3月15日までに確定申告が必要です。
Q3. 学資保険も課税対象になる?
A. 契約者=受取人=保険料負担者であれば、一時所得に該当します。非課税になるとは限りません。
Q4. 解約しただけで税務署に通知される?
A. 一定額以上の返戻金が支払われた場合は、保険会社から税務署に報告されることがあります。
Q5. 損した場合は申告しなくていい?
A. 解約返戻金が支払保険料を下回っている場合は、一時所得としての課税対象外なので、申告の必要はありません。
まとめ|税金の有無は契約形態で決まる
保険の解約返戻金に税金がかかるかどうかは、契約者・受取人・保険料負担者の関係で判断されます。
知らずに確定申告を怠ると、追徴課税や罰則の対象になることもあるため、しっかりと契約内容を把握し、税務処理に備えておきましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保険の解約返戻金は、場合によっては大きな金額になります。その一方で、税務上の取り扱いが複雑であるため、契約形態を正確に理解しておくことが非常に重要です。
契約者と受取人が異なる場合の贈与税や、相続人が受け取る際の相続税の非課税枠など、税制に関する知識が将来の節税につながることもあります。保険契約の見直しと併せて、税務の知識も備えておきましょう。