

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「終身保険って本当に必要?」「高い保険料を払い続ける価値があるの?」
このような疑問を感じたことがある方は少なくありません。近年では「終身保険はいらない」と考える専門家や消費者も増えており、特に若い世代では掛け捨て型のシンプルな保険を選ぶ人が増加傾向にあります。
この記事では、終身保険が不要とされる背景や理由を解説し、自分にとって必要かどうかを判断するためのポイントをご紹介します。
なぜ「終身保険はいらない」と言われるのか
終身保険が不要とされる主な理由
1. 高額な保険料負担
終身保険は保険料が高額になりがちで、家計を圧迫するケースが多く見られます。特に若いうちから契約すると、教育費や住宅ローンなど他の支出を圧迫することもあります。
2. 保険と貯蓄の非効率な組み合わせ
保障と貯蓄を兼ねた終身保険は便利に見えますが、純粋な投資商品や貯蓄と比べて運用効率が劣ることが多いです。
3. 必要保障額が変化するのに固定保障
子どもの独立や住宅ローン完済など、家族のライフステージによって必要な保障額は減少します。終身保険の固定保障は柔軟性に欠けることがデメリットとされます。
4. 投資代替手段の選択肢が増えている
つみたてNISAやiDeCoなど、税制優遇を活用した効率的な資産形成手段が増え、終身保険の貯蓄性に依存する必要性が薄れています。
終身保険を検討する際の選び方と判断基準
終身保険を選ぶ・見直すときのポイント
1. 必要な死亡保障額を明確にする
家族構成やライフステージを踏まえ、本当に必要な死亡保障額を算出します。過大な保障は不要な負担を生む原因になります。
2. 保険料が家計に与える影響を試算する
長期にわたる保険料支払いが、教育資金・老後資金・住宅ローン返済などのライフプランにどのような影響を与えるか確認します。
3. 貯蓄と保障を分けて考える
保障は必要最低限にし、資産形成は税制優遇のある積立商品や投資信託を活用することで、効率的な資金運用が可能になります。
4. 他の資産形成手段と比較する
つみたてNISA、iDeCoなどの制度を活用した場合と終身保険の貯蓄部分の運用効率を比較し、自分に合った方法を検討しましょう。
終身保険の契約は「家計の負担と必要保障額のバランス」が重要
単に「一生涯の保障がある」というメリットだけで選ばず、ライフプラン全体で判断することが賢明です。
終身保険のしくみと受け取れる給付金
終身保険は、死亡保障と資産形成の両方を目的とした保険です。契約内容によっては、保障の開始時期や払込期間がライフプランに大きく影響します。
ここでは、終身保険の基本的なしくみと給付金の種類を確認しましょう。
保障内容と払込期間の関係
終身保険では、契約時から死亡保障が開始され、保険料の払込が完了した後も保障は一生涯続きます。
払込期間は契約時に選べ、短期払や終身払が一般的です。
受け取れる主な給付金
終身保険で受け取れる主な給付金は、次の2種類です。
給付金の種類 | 給付を受け取れる条件 |
---|---|
死亡保険金 | 被保険者が亡くなった場合 |
高度障害保険金 | 所定の高度障害状態に該当した場合 |
これらの給付金は、遺族の生活保障や医療・介護費用に充てることが可能です。
よくある質問 Q&A
Q1. 終身保険はいらないといわれる主な理由は?
A 保険料が高額になりがちで、貯蓄や投資で対応した方が効率的とされるためです。また、必要な保障額が時間とともに減少することも理由です。
Q2. 貯蓄型の終身保険なら得ではありませんか?
A 利率が低い場合や途中解約で元本割れするケースも多く、必ずしも有利とは限りません。資産形成には他の選択肢と比較検討が必要です。
Q3. 子どもが小さいうちは終身保険に入った方が良い?
A 子どもが独立するまでは一定の死亡保障は重要ですが、掛け捨て型の定期保険の方がコストパフォーマンスが高いケースが一般的です。
Q4. 終身保険をすでに契約しています。見直すべき?
A 必要性や保険料負担、保障額を再確認し、場合によっては減額・払済や解約も選択肢となります。将来設計に沿った見直しが重要です。
Q5. 終身保険の代わりにどんな保障を考えるべき?
A 必要保障額に応じて定期保険、医療保険、がん保険などを組み合わせる設計が一般的です。老後資金は別途、積立や投資で準備するのが合理的です。
まとめ
終身保険は「絶対に不要」とは言い切れませんが、すべての人に適した商品でもありません。
保障の目的と期間、保険料の負担を冷静に考えたうえで、本当に必要な保障のみを持つことが合理的な選択といえるでしょう。
「なんとなく」で入り続けるのではなく、ライフステージの変化や資産状況に合わせて柔軟に見直しを行うことが重要です。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
終身保険は、貯蓄機能と保障機能を兼ね備えた商品ですが、保険料負担の重さや利率の低さがデメリットとなることもあります。
特に、若いうちから高額な保険料を長期にわたって支払う場合、家計や将来の資産形成に悪影響を及ぼすことが少なくありません。
「必要な保障」と「資産運用」の線引きを明確にし、保険に頼りすぎず、自助努力での準備も含めた総合的なライフプランを立てることが大切です。