

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
近年、陣痛の痛みを和らげる「無痛分べん」の選択が増えています。しかし、日本産婦人科医会の調査によれば、およそ120人に1人の割合で合併症が報告されており、リスクを理解した上での選択が求められています。
無痛分べんとは?
無痛分べんとは、麻酔を使って分娩時の陣痛を軽減する方法で、特に硬膜外麻酔が主に用いられます。痛みの軽減により出産時の精神的ストレスを減らせる一方、医療の介入が増えるため合併症のリスクが伴うのが特徴です。
全国調査の結果:合併症の発生状況
日本産婦人科医会が全国1900以上の医療機関を対象に行ったアンケート調査によると、2022年に417施設で実施された無痛分べん5万3000件のうち、合併症が起きたのは以下の通りです。
合併症の内容 | 件数 | 発生頻度 |
---|---|---|
出血や子宮損傷などの母体合併症 | 454件 | 約120人に1人 |
麻酔が下半身以外に影響 | 38件 | 非常にまれ |
新生児の出血など | 21件 | まれ |
専門家の見解
調査を行った聖マリアンナ医科大学の長谷川潤一教授は「無痛分べんは基本的に安全に行われているが、通常の自然分娩と比較して医療的な処置が増えるため、そのリスクを認識する必要がある」としています。
また「希望者が増えている現状を踏まえ、妊婦本人と家族が正確な情報に基づいて選択できる環境を整えることが重要だ」とも述べています。
Q&A:無痛分べんに関する疑問と回答
Q1. 無痛分べんはすべての妊婦が受けられる?
A. 基本的には可能ですが、高血圧や血液凝固異常など一定の疾患がある場合は実施できないケースもあります。事前の医師との相談が必要です。
Q2. 合併症のリスクはどの程度?
A. 約120人に1人の割合で出血や子宮損傷などのリスクがあるとされていますが、適切な医療体制が整っていれば多くは軽症で管理可能です。
Q3. 保険適用される?
A. 無痛分べんは通常「選択的医療」とされ、公的医療保険の対象外ですが、民間の医療保険や出産特約で一部カバーされることがあります。
Q4. 無痛分べんと自然分娩の費用差は?
A. 平均的には5万円〜15万円の追加費用が発生するとされ、施設によって差があります。
Q5. 今後の安全性向上策は?
A. 麻酔科医との連携強化や分娩体制の整備が進められており、今後も安全性は向上していく見通しです。
まとめ:無痛分べんは「選択」だからこそ知識と備えを
無痛分べんは、痛みの軽減という大きなメリットがある一方で、医療介入によるリスクが存在します。妊娠中のライフプランや保険の保障内容も含めた総合的な判断が必要です。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
出産は人生でも最も大きなイベントの一つであり、医療面だけでなく、経済面の備えも重要です。無痛分べんには追加費用や医療リスクが伴うため、事前に必要な保障が備わっているかを確認し、出産給付金や医療保険の特約内容を見直すことが大切です。
FPとしては、妊娠・出産を控える段階から「医療費の見通し」「突発的な入院リスク」「家計への影響」などを整理し、出産準備と保険見直しをセットで考えることを強く推奨します。特に夫婦での話し合いを通じて、どのような保障が必要かを具体的に決めていくことが、将来の安心につながります。