

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
日本の医療制度では、医療費が一定額を超えた場合に負担を軽減してくれる制度として「高額療養費制度」があります。突然の入院や長期治療に備えるための基礎知識として、この制度の概要や注意点、上手な活用法を解説します。
高額療養費制度の基本
高額療養費制度は、1か月に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、その超過分が払い戻される仕組みです。加入している健康保険に申請することで給付を受けられます。
区分 | 年収目安 | 1か月の自己負担限度額 |
---|---|---|
区分ア | 年収約1,160万円~ | 約252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
区分イ | 年収約770~1,160万円 | 約167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
区分ウ | 年収約370~770万円 | 約80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
区分エ | 年収約~370万円 | 57,600円 |
区分オ | 住民税非課税 | 35,400円 |
以下は高額療養費制度を上手に活用するためのポイントです。
高額療養費制度を活用する際のポイント
1. 限度額適用認定証の取得
入院などで医療費が高額になることが事前にわかっている場合、加入している健康保険に申請して「限度額適用認定証」を取得すると、窓口での支払いを限度額に抑えることが可能です。
2. 対象は自己負担3割分のみ
高額療養費制度は保険適用分の自己負担額(原則3割)に対してのみ適用されます。自由診療や先進医療などは対象外です。
3. 差額ベッド代は対象外
個室料などの差額ベッド代は保険適用外であり、高額療養費制度の対象外です。
4. 家族の分も合算できる
同一世帯で複数の人が医療機関を利用した場合、それぞれの自己負担額を合算して申請することができます(世帯合算)。
5. 申請期限に注意
払い戻しの申請期限は診療月の翌月から2年間です。過ぎると無効になるため要注意です。
注意ポイント
高額療養費制度は万能ではありません。差額ベッド代や先進医療など、自己負担になる項目も多く、別途対策が必要です。
医療保険との併用で備えを万全に
高額療養費制度だけではカバーしきれない出費に備えるには、医療保険の加入も重要です。
入院給付金や手術給付金、先進医療特約などを組み合わせることで、より安心な備えとなります。
まとめ
高額療養費制度は、医療費負担を大きく軽減できる公的制度です。しかし、適用範囲には限りがあるため、民間の医療保険との併用が現実的な対策になります。
制度を正しく理解し、備えを強化することで、将来の医療リスクにも安心して対応できます。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
医療費の高額化が進む中、高額療養費制度は非常に頼もしい制度です。ただし、制度の限界を認識し、不足を補う医療保険の設計がカギを握ります。
特に、差額ベッド代や先進医療の費用など、制度の枠を超える支出に対しては、自分に合った保険選びが重要です。