

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
医療の現場で働く看護師は、日々の業務を通じて病気やケガのリスクに日常的に接しています。その一方で、自身の健康リスクや生活の備えについては後回しにしてしまう傾向もあります。特に医療保険については、「職場でカバーされているから大丈夫」と考えがちですが、本当にそれだけで十分なのでしょうか?
この記事では、看護師が医療保険を自分で選ぶ際に考慮すべきポイントと、勤務実態や将来のリスクを踏まえた保険の選び方を詳しく解説します。さらに、看護師によくある疑問に答えるQ&Aも用意しました。
看護師特有のリスクと医療保険の必要性
厚生労働省の「看護職員就業状況調査」(2023年)によると、看護師のうち約30%が年1回以上体調不良による休職を経験しており、10人に1人が1週間以上の入院を経験しています。
また、感染症や腰痛、精神的ストレスなど、看護師は他の職種に比べて業務起因の疾患リスクが高く、これらによって入院・手術が必要となるケースもあります。したがって、公的医療保険だけでは不十分な場面に備えるために、医療保険による保障を上乗せしておく必要があります。
職場の団体保険では足りない?
多くの看護師は、勤務先の病院やクリニックで団体医療保険に加入しています。しかし、団体保険は保障内容が画一的で、十分な日額保障や通院給付が含まれていない場合も少なくありません。また、転職や退職のタイミングで保障が失われるリスクもあります。
したがって、自分のライフスタイルや家計状況に合わせて、個別に選べる民間の医療保険を組み合わせることが望ましいです。独自の特約や、精神疾患・がんなど特定疾病に特化した商品もチェックしましょう。
看護師が医療保険を選ぶときの3つの視点
1つ目は「入院・手術への対応力」です。看護師は自分自身が病気になったときも働き続けることは困難で、短期入院の頻度も高い傾向があります。日額1万円以上の入院給付があるか、手術の種類に応じた給付があるか確認しましょう。
2つ目は「通院保障」です。職業柄、復職までにリハビリや通院が長引くこともあるため、入院なしの通院にも対応できる保険が役立ちます。
3つ目は「精神疾患への給付対象」です。近年では精神疾患による長期療養も一般的になっており、給付の対象に含まれているか必ず確認しましょう。
医療保険+就業不能保険の併用がベスト
看護師にとって、働けない期間の生活費を補う仕組みも重要です。医療保険はあくまで医療費に対応するもの。就業不能保険を併用すれば、収入補償も可能となります。
例えば、うつ病や腰痛などで3か月以上休職した場合、医療費とは別に毎月の生活費が補償されることで、経済的な不安を大きく軽減できます。
Q&A:看護師が保険を選ぶときのよくある疑問
Q1. 医療現場で働いている看護師こそ保険に入るべき?
A. はい。感染症や腰痛、ストレス起因の精神疾患など、医療従事者ならではのリスクがあるため、民間医療保険で備えることが重要です。
Q2. 団体保険と個人保険はどちらを優先すべき?
A. 可能であれば併用がおすすめです。団体保険はコストパフォーマンスが高い一方、保障の自由度は低いため、個人保険で不足分を補うのが理想です。
Q3. 精神疾患でも給付を受けられる保険はある?
A. あります。ただし商品によっては対象外の場合もあるため、「うつ病」「適応障害」などが給付対象に含まれているか必ず確認しましょう。
Q4. 保険料の負担を抑える方法は?
A. 給付金額を最適化し、必要な保障のみを選ぶこと。さらに、掛け捨て型の商品は保険料が安いため、収入に応じて選択できます。
Q5. 転職時に保険はどうすべき?
A. 勤務先が変わると団体保険の条件も変わる可能性があるため、個人で契約している保険の継続性が安心材料になります。見直しのタイミングとしても最適です。
まとめ:現場で働くからこそ、自分の保障は自分で守る
患者の命を守る看護師こそ、自身の健康リスクにも正面から向き合うべきです。医療保険は勤務先任せではなく、自分自身のニーズに合ったものを選ぶことで、将来的な安心につながります。
公的保障+団体保険+民間保険のバランスを見極め、「働けなくなったときに困らない」体制を整えておくことが、キャリアと生活を守る最大の対策です。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
医療従事者である看護師の方々は、自らの健康リスクや労働環境を理解しているからこそ、保険の必要性を深く理解すべき立場にあります。特に夜勤や交代勤務、精神的な負荷が大きい現場で働く場合、心身の健康が損なわれるリスクは高くなります。
そのため、医療保険や就業不能保険を含めた多角的な保障設計は欠かせません。医療費だけでなく、長期間の収入途絶にも備えることが、将来にわたって安定したキャリアと生活を維持するうえで非常に重要です。定期的な保険の見直しと、ライフステージや職場環境に合った保険選びを意識してほしいと思います。