

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「がん保険って本当に必要?」「公的医療保険で足りるのでは?」
このような疑問を抱く方は少なくありません。
がん保険は、公的保障でカバーしきれない治療費や生活費リスクに備える保険商品です。
本記事では、がん保険の必要性について、不要とされる理由と、それでも加入が推奨されるケースを専門的に解説します。
がん保険が不要と言われる理由と背景
公的医療制度の充実と、がん治療の多様化が不要論の背景となっています。
理由 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
高額療養費制度の存在 | 自己負担額が一定額に抑えられる。 | 非適用費用(先進医療など)はカバー外。 |
医療保険の保障重複 | 医療保険の入院・手術保障と重なる。 | 無駄な保険料支出の可能性。 |
治療の短期化 | 入院日数が短縮、通院治療が主流。 | 通院費や治療費の自己負担が発生。 |
自己資金でカバー可能 | 十分な貯蓄や資産があれば対応できる。 | 資産状況により判断が必要。 |
医療技術の進歩と公的保障で基本的な治療費はカバー可能
しかし、先進医療や通院治療費、収入減少リスクは自己負担となります。
がん保険が不要とされる主な理由
1. 高額療養費制度のカバー
公的医療保険で多くの治療費が制限され、過剰保障のリスクがあります。
2. 医療保険との保障重複
既存の医療保険でカバーされる部分と重複する場合があります。
3. 治療の短期化
入院期間の短縮と外来・通院治療の増加により、日額保障の重要性が低下しています。
4. 十分な貯蓄の存在
高額な医療費や収入減少に対応できる自己資金があれば保険不要と判断されることも。
5. 保険料負担の家計圧迫
過剰な特約や高額な保険料が家計の負担になる可能性があります。
それでもがん保険が必要なケースと判断の軸
医療費以外の支出リスクや、生活保障ニーズによって、がん保険が必要とされる場合もあります。
必要なケース | 特徴 |
---|---|
貯蓄が不十分 | 治療費や生活費を自己資金でまかなえない。 |
就業不能リスクが高い | 収入減少や失職リスクがある。 |
先進医療を希望 | 高額な治療費が予想される。 |
扶養家族がいる | 治療中の生活費を確保する必要がある。 |
治療費以外の負担に備える
医療費だけでなく、収入減少・生活費・介護費用のリスクにも注意が必要です。
がん保険加入を検討すべきポイント
1. 自己資金の状況
治療費や生活費をカバーできる十分な貯蓄があるか確認します。
2. 就業不能時の収入対策
働けなくなった場合の生活費をどう確保するか検討します。
3. 先進医療希望の有無
公的医療保険が適用されない高額治療に備える必要があります。
4. 扶養家族の有無
家族の生活費や教育費など、治療中の経済的影響を考慮します。
5. 特約のバランス
必要最低限の特約に絞り、過剰な保険料負担を避けます。
がん保険の保障内容と給付金のしくみ
がん保険を検討する際、保障開始のタイミングや給付金の種類を正しく理解することが大切です。
保障開始時期と待ち期間
がん保険では契約直後から「がん以外の死亡保障」が開始されますが、がん保障は一般的に一定の待ち期間を経て開始されます。
この期間中にがんと診断された場合、保障の対象外となる点に注意が必要です。
がん保険で受け取れる主な給付金
がんと診断された際に受け取れる給付金には以下のような種類があります。
給付金の種類 | 給付を受け取れる条件 |
---|---|
がん入院給付金 | がん治療のために入院した場合 |
がん手術給付金 | がん治療のための所定の手術を受けた場合 |
がん診断給付金 | がんと医師により診断確定された場合 |
がん死亡給付金(保険) | がんが原因で死亡した場合 |
死亡給付金(保険) | がん以外の死亡(事故や病気など)で亡くなった場合 |
保険商品によっては先進医療給付金や通院給付金などの特約が付加できる場合もあります。
Q&A|がん保険に関するよくある疑問
Q1. 高額療養費制度があればがん保険は不要?
A. 基本的な治療費はカバーされますが、先進医療や収入減少リスクは自己負担です。
Q2. 医療保険があればがん保険はいらない?
A. 医療保険とがん保険の保障範囲が異なるため、目的に応じた選択が必要です。
Q3. がん保険の特約は必要?
A. 通院保障や先進医療特約など、ニーズに合ったもののみ選ぶべきです。
Q4. 自己資産があれば加入不要?
A. 高額な治療費や長期療養費をカバーできる場合は、加入不要と判断できます。
Q5. 資産形成と保障の両立は可能?
A. はい。iDeCo・NISA・変額保険などを活用すれば、保障と運用のバランスが取れます。
まとめ
がん保険の必要性は、公的保障と自己資金、健康状態、家族状況により大きく異なります。
医療費の多くは公的制度でカバーされますが、先進医療費や生活費、収入減少リスクには備えが必要です。
iDeCo・NISA・変額保険を活用した資産形成と、最低限の保障を組み合わせたバランスの良いプランを検討しましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
がん保険の必要性については、「すべての人に必要」とは言えない時代になっています。
高額療養費制度や医療保険が一定の治療費をカバーする一方で、生活費の確保や先進医療費、収入減少リスクへの備えは個々の状況によって異なります。
特に家族構成や資産状況、健康状態を踏まえた保障設計が不可欠です。
また、医療保障だけでなく、iDeCo・NISA・変額保険といった資産形成手段を活用し、老後や長期療養に備えた総合的な資金計画を立てることが重要です。
定期的な見直しを行い、自分に最適な保障と資産形成のバランスを維持しましょう。