

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「高額な先進医療を受けたいけど、保険がきかないのでは?」とお悩みの方に注目されているのが、患者申出療養です。
患者自身の希望で新たな医療技術を受けられる制度ですが、自由診療や先進医療との違いが分かりにくいという声も少なくありません。本記事では、制度の仕組み・対象になる医療・費用負担の実態・申請の流れなどを、わかりやすく整理してご紹介します。
患者申出療養とは何か?制度の仕組みを解説
患者申出療養とは、厚生労働大臣が定めた手続きのもと、患者の希望に基づいて実施される先進的な治療です。
保険診療と組み合わせながら、保険外の新しい医療技術にアクセスできる制度であり、2016年に制度化されました。
制度を理解するための基本ポイント
1. 保険外併用療養制度の一種
患者申出療養は、保険適用の医療と保険外の治療を併用する「保険外併用療養制度」の一形態です。
新薬や未承認医療技術を希望する患者にとっての選択肢となっています。
2. 申出から実施までの流れ
治療を希望する患者が主治医と相談のうえ、医療機関から国に申請を行います。
申請内容は国によって審査され、承認後に実施可能となります。
3. 費用負担は全額自己負担
保険が適用されない医療技術部分については全額自己負担となります。
ただし、保険診療部分(検査・入院費など)は通常通り3割負担で受けられます。
4. 先進医療・自由診療との違い
患者申出療養は、国の承認を得て医療機関で実施されるため、安全性や有効性の面で管理されています。
一方、自由診療は制限がなく、費用も全額自己負担。先進医療は厚労省が指定した医療技術を対象としています。
5. 対応している医療機関が限定的
患者申出療養を受けられるのは、特定の臨床研究中核病院などに限られます。
全国に数十か所しかないため、通院・入院の面で制約があることも考慮が必要です。
注意ポイント
患者申出療養は、あくまで研究的段階の治療であり、治療効果が未確定なケースもあります。リスクとメリットをよく理解したうえで選択しましょう。
制度名 | 特徴 | 費用負担 |
---|---|---|
患者申出療養 | 患者希望による先進治療 | 保険外は全額自己負担 |
先進医療 | 国が指定した先進技術 | 先進技術以外は保険適用 |
自由診療 | 完全自費の治療 | すべて自己負担 |
Q&A|患者申出療養に関するよくある質問
Q1. 誰でも利用できるの?
A. 基本的には利用できますが、対応医療機関での診察が必要です。また、重症例などは対象外になる場合もあります。
Q2. 保険会社の医療保険は使える?
A. 保険外部分の治療費については、多くの医療保険で給付対象外です。給付対象か契約内容を確認しましょう。
Q3. 申請にはどれくらい時間がかかる?
A. 通常、数週間〜1か月程度かかります。緊急性のある治療には対応できないこともあります。
Q4. 海外の治療法は対象になる?
A. 基本的に国内での臨床使用が前提です。海外の医療技術を使いたい場合は別の制度を検討する必要があります。
Q5. 医療機関の変更はできる?
A. 原則、申請を行った医療機関で治療を行います。他機関への変更は再申請が必要です。
まとめ|選択肢の一つとして知っておきたい制度
患者申出療養は、保険制度にない新たな治療へアクセスできる制度です。費用面・通院面での制約はありますが、有望な治療技術を受けるチャンスにもなり得ます。
制度の仕組みや注意点を理解し、主治医とよく相談した上で、最適な治療選択を行いましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
患者申出療養は、公的保険制度に加えた新しい選択肢として重要です。まだ治験段階にある医療技術を、安全性や有効性を確認しながら活用できる点が注目されています。
ただし、自由診療とは異なり制度の手続きや費用負担には細かなルールがあるため、利用を検討する際には医療機関の情報収集と制度理解が欠かせません。自費治療の中でも特に慎重な判断が求められる制度です。